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Umineko Anime Second Season Surprise Production Committee! (うみねこアニメ第2期製作委員会爆誕! Umineko Anime Dai 2-ki Seisaku Iinkai Bakutan!) is an Umineko When They Cry short story that was released as a booklet at the 07th Masquerade event on October 16, 2016. It features the main characters getting together to create a second season of the Umineko anime after its rebroadcasting marathon.

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Transcript

Dashed lines represent page breaks.

  うみねこアニメ
 第2期製作委員会
    爆誕!

  07th Expansion


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


※このショートストーリーは、うみねこ一挙放送を知った
 竜騎士07が、妄想を全開で書いたものです。
 どうか生暖かい目で創作物としてお楽しみください。


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【煉獄の七姉妹】「「「ベアトリーチェさまぁぁぁぁぁ!!!」」」
【ベアト】「おぉ、何だ何だ、七姉妹が揃ってやってくるとは珍しい。さては妾に
      何か頼み事であるな?」
【ベルゼ】「はい、そうですっ。ぜひお願いしたいことがありまーす!」
【アスモ】「ベアトリーチェさまってぇ、大魔女であらせられるんですよね?!」
【ベルフェ】「言うまでもない。ソファーで寛ぎながら、煙管を振るだけで如何な
       るものも生み出せるお方」
【レヴィア】「でもでも……、いくらベアトリーチェさまでも、やっぱり無理じゃ
       ないかしら」
【サタン】「何て失礼なことをッ。私たちの主に不可能なことなるあるわけがない
      !!」
【ベアト】「……回りくどいし、くどい。とっとと要件を申せ」

 ベアトが不機嫌そうに一瞥すると、大盛り上がりだった七姉妹は急にだんまり。
 押し出されるようにルシファーがおずおずと前に出る。

【ルシファー】「えっと……、その……、」

【ルシファー】「『うみねこアニメ』の、第2期をお作りいただきたくッ……!!」

【ワルギリア】「そういえば先日、アニメの全話一挙放送があったのでしたねぇ」
【ロノウェ】「もちろん、正座して拝見させていただきましたとも」
【ワルギリア】「うっふふふふ、私たちの活躍が、色褪せずに残り続けるとはいい
        ものですね」
【ロノウェ】「ベアトリーチェさまも、大層、輝いておいででしたよ」
【ベアト】「言うまでもないわ、愚か者。妾の美貌に魅力、輝きは、アニメだろう
      とそうでなかろうとわずかに曇ることもないわ」

【アスモ】「でもでもーッ、やっぱりアニメで見たいんですーッ!!」
【ベルゼ】「ベアトリーチェさまぁ! 素敵な魔法でポポポポーンっとアニメ第2
      期を作って下さい~!」


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【ベアト】「でッ、」

 出来るかタワケー!!
 そう叫ぼうとしたが、七姉妹はキラキラと輝く眼差しでベアトを見ているのだ。
 あぁ、その眼差しの純真さと言ったら! さすがのベアトも、出来ないとは言え
なくなってしまう。

【ベアト】「妾を誰と心得るかっ。無限の魔女、ベアトリーチェなるぞ! よかろう、
      妾は今日、とても気分が良い。日頃のそなたたちの家具としての務め
      への褒美として、特別に計らってやろう!」
【七姉妹】「「「きゃーーッ、ベアトリーチェさまッ、
                    ありがとうございますーー!!!」」」


 アニメを作るのは、魔法とて容易なことではない。
 大魔法になるゆえ、ワクワクしながらしばし待てと言って、七姉妹を帰らせる。
 後には、ワルギリアとロノウェと、勢いで安請け合いをしてしまったベアトの3
人が残った……。

【ワルギリア】「……ベアト。さすがに安請け合いが過ぎませんか?」
【ロノウェ】「今更ご説明の必要もないかとは思いますが、魔法は無から有を生み
       出すものではありません。生み出すものに等しい“何か”が求めら
       れるのです」
【ベアト】「わかっておるわ。釈迦に説法、妾に説教よ。それを、最もシンプルな
      形で数値化し構成したのが、妾の黄金の魔法ではないか」

 バスに乗る魔法は、200黄金の魔法ポイント。
 ジュースを飲む魔法なら120黄金の魔法ポイント。
 タクシーにワンメーター乗る魔法なら730魔法ポイントというところか。


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【ベアト】「その論法で言うと……、うみねこアニメの第2期を作るのに、どのく
      らいの黄金パワーがいるのだ?」
【ロノウェ】「最低でも、3億黄金パワーくらいは必要かと」
【ベアト】「サン、オク……ッ?!?! ………って、どのくらいだ?」
【ワルギリア】「1万の3万倍というところですね」
【ベアト】「もっとわかんない。妾にもわかるように例えて……」
【ロノウェ】「本日、お嬢様がお召し上がりのマカロンが、仮に1つ、500黄金
       パワーといたしますと」
【ベアト】「旨かったぞ。5つもぺろりと平らげてしまった!」
【ワルギリア】「500×5で、本日のおやつ代は2500黄金パワー」
【ロノウェ】「それが4日で1万黄金パワー。それの3万倍ですから、4日の3万
       倍で、軽く見積もって328年」
【ワルギリア】「つまり。ベアトのおやつを、328年間分、抜きにすれば、アニ
        メ第2期を生み出せるというわけです」

【ベアト】「ささ、300年間以上もおやつ抜きッ?!?!」

【ロノウェ】「ちなみに、3億でも最低限。十分なクオリティや余裕を考えれば、
       5億は用意したいところ」
【ワルギリア】「その場合は、547年間以上、おやつ抜きになりますね」

【ベアト】「ごごごごッ、547年以上ッ?!?! そんなにもずっと、おやつ抜
      きなの?!」

 ベアトは今こそ猛省する……!!!

 うみねこアニメ、全話一挙放送、……ベアトも見ていた! 楽しかった!
 そう。ただただ楽しかっただけ!
 怠惰にPCの前でごろりとくつろぎ、柿ピーをポリポリ食べながら、すごーくお
気楽に見ていた!


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そして、思ってた! 七姉妹たちと同様に実は自分も思ってた!!
 あー、うみねこの第2期、作らないのかなー、ホジホジ。…………って!!!!

甘かったッ!!
断じて許されなかった!!
あの、うみねこアニメ第1期には、想像を絶する魔力が注ぎ込まれていたのだ……
!正座どころか、焼き土下座しながらの視聴でも、……許されないッ!!
尊い、尊すぎるッ、アニメって、なんてなんて……、大銀河宇宙ッッッ!!!!!

【ベアト】「………と、妾が閉口して、諦めるとでも思ったか?」

【ベアト】「3億だか5億だかをどうにかすれば、第2期が作れるのであろう!?
      それは即ち、作ることは可能、ということだ!」
【ロノウェ】「確かに、世の中には、黄金パワーではどうにも出来ないものもたく
       さんございます」
【ワルギリア】「それを思えば、確かに可能なだけ、まだマシかもしれませんが…
        ……。でもベアト。それだけの膨大な黄金の力を、どうやって得
        るというのです?」
【ベアト】「お師匠様も耄碌したぜぇ? 黄金の力は、知恵の力でも補える。そう。
      ここは知恵を結集する時!」



      右代宮家緊急会議!

うみねこアニメ第2期を作ろうの会、爆誕ッ!!!


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【譲治】「まずだけど。目標額を達成するには2つの方法があるんだ」
【朱志香】「カネを集める以外に何があるってんだよ?」
【譲治】「目標額に現状を近付けるか、もしくは逆に、目標額を現状に近付けるか、
     ということだよ」

【真里亞】「うー。真里亞、よくわかんなーい」
【戦人】「チェス盤をひっくり返すと、つまりはこういうことさ。俺たちはスター
     トからゴールに向かって走る。そして同時に、ゴールもまた、俺たちに
     向かって走ればいい」
【譲治】「そういうこと。仮に、僕たちの目標額が3億だとしよう。しかし、計画
     を見直し合理化を図ることで1千万円のコストカットが出来たら?」
【戦人】「目標額は2億9千万に減るぜ」
【朱志香】「そうか! それはつまり、1千万円を稼いだのと同じ意味があるのか!」
【真里亞】「じゃあ、いっぱいいっぱい見直して、500円くらいにしちゃえばい
      いのかな。うー!」
【戦人】「いやいや、それはさすがに無理だろ……。500円玉1枚でアニメを作
     ってくれる聖人がいるとは思えねぇ……」
【譲治】「とにかく、コストカットも目標を達成する重要な手段だと言いたかった
     のさ。100万円を稼ぐのはとても大変だけれど、コストカットで10
     0万円を浮かせるのは、案外、可能かもしれないんだからね」

【朱志香】「で、コストカットってのは具体的にはどういう風にやるんだ?」
【譲治】「まずだけど……。『うみねこのなく頃に』で最大の特徴は、現実と幻想、
     双方の膨大なキャラクター人数にあるんだ」
【戦人】「確かに、人数はすげぇよなぁ……。一体、何人くらいいるんだ?」
【朱志香】「んー……、右代宮家だけで10人以上……」
【真里亞】「煉獄の七姉妹とかシエスタ姉妹とかもいっぱいいるー」
【譲治】「多分、立ち絵を持つキャラクターだけでも50人を軽く超えるだろうね」
【戦人】「その半分以上は、ベアトのところの連中だな……!」


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【戦人】「というわけで!! うみねこアニメ第2期の為に、大リストラ大会を実
     施するーッ!!!」
【ルシファー】「な、納得いかんぞ、右代宮戦人ーッ!! 我らは7人揃ってこそ
        の煉獄の七姉妹! 1人でも欠けたらそれは煉獄の七姉妹ではな
        い!!」
【戦人】「別に7人揃わなきゃ合体ロボになれないわけじゃないだろ。お前らはい
     いとこ3人もいれば十分だ!」

 戦人の暴言に、煉獄の七姉妹は驚愕する! いやいや、シエスタ姉妹も、アイゼ
ルネ・ユングフラウの2人も仰天する!
 いやいやいや、このままでは影の薄いキャラも間引こうなどと言われかねない!
登場回数の少ないキャラクターたちも真っ青になっている!
 このままでは血で血を洗う大変な騒ぎに……?

【ロノウェ】「失礼致します、皆様方。とある海外の方からメールが届いておりま
       す」
【ベアト】「今は忙しい、後にせいっ」
【ロノウェ】「いえいえ、今すぐにお読みになった方がよろしいかと存じますよ?
       そして、この場にいる全ての皆さまに朗報となるかと存じます」
【戦人】「一体、何だってんだ……? どれどれ」
【ベアト】「えっ、何語?!」
【ロノウェ】「アラビア語でございますな。僭越ながら、翻訳させていただきます」


 それは、想像を絶する突然のメールであった。
 何と、某国の石油王の御令嬢が、先日のうみねこアニメの一挙放送を視聴して、
大いに気に入ったとのこと!
 第2期制作の為に、5億円を寄付してくれると言ってくれたのだ……!!

【ロノウェ】「何でも、戦人さまの大ファンとのこと。戦人さまにぜひ、第2期制
       作をお任せしたい、とのことでございます」


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ぽかーん? いやいや、一同は一斉に立ち上がり、手を打ちあっての大歓声!
 いやったぁぁあぁぁぁ!! うみねこの第2期の予算がゲットできたぁぁぁぁ!!

【ベアト】「うぅむ、こ、これが本当の黄金の魔法か……」
【ロノウェ】「戦人さまのお口座に、すでに5億円が入金済みでございます」
【戦人】「マ、マジかよ……。これで……、本当に第2期が作れるんだな……?」
【ベアト】「うむ!」

 もちろん、お金でだけで成し遂げられるものではない。
 しかし、お金こそが一番高いハードルでもあった。それがクリアされたのだから、
あと必要なのは、情熱と勢いだけだ。

 こうして、『うみねこのなく頃にアニメ第2期制作委員会』が設立された。
 右代宮家の人脈を駆使し、経験豊富な業界人たちが集結する。
 だから、戦人自身には専門的な知識は必要ない。
 求められるのは、情熱と妥協なきクオリティコントロールだけだ。

 制作委員会の第1回会合にて、戦人はこう演説した。

【戦人】「うみねこアニメの第2期を、ただ漫然と作るだけでは駄目だッ」

 戦人は訴えた。
 アニメ第2期を心待ちにするファンたちに、最高の第2期を送りたい。それはも
ちろんだが、それだけでは駄目なのだ。

【戦人】「アニメを大勢の仲間たちと一緒に見ながら、感動を共感し合う! その
     最高の環境と相まってこそ、最高の感動となるんだ!!」


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それはつまり、すでに「うみねこ」を愛してくれている人たちだけでなく、「う
みねこ」をまったく知らない人たちや、知ってはいるけどグロそうで敬遠していた
人たちにも、楽しんでもらえるものを作らなければならないということだ。
 ただ、アニメを良く作ればいいというだけではない。
 アニメを最高に楽しめる環境の次元から生み出していこうということだ。

【戦人】「つまりは、“うみねこセカンドインパクト”!!」

 このセカンドインパクト宣言に、ただファンの望むものを作ればいいと考えてい
た制作委員たちは衝撃と感動を覚えた。
 アニメは、放映前からもう、それを楽しめるか否かの勝負が決しているとさえ言
える。
 今は、3話切り、1話切りどころか、0話切りなどといって、放映をただの一度
さえも見ずに視聴を拒否する者が大勢いる。
 見てくれれば作品の良さがわかるのに……、は今の時代には無策の証明でしかな
い。 放映以前から盛り上がって盛り上がって、むしろそのフィニッシュとして放
映が行われるくらいの勢いが求められるのだ!

【ベアト】「ほほう。戦人がそんなことをなぁ」
【ワルギリア】「アニメはお祭りのお神輿みたいなもの。最高の盛り上がりの時に
        登場してこそ、その価値もさらに増すというもの」
【ロノウェ】「レストランも同じです。いくら、一口食べてくれれば美味しさがわ
       かるのにとぼやいたところで、お店の作りが美しくなければ、そも
       そも誰も足を運ばないというもの」
【ワルギリア】「レストランは味だけでなく、雰囲気やサービスも大事な要素です
        からね」
【ロノウェ】「それを統合したものこそ、まさにエンターテイメント」
【ワルギリア】「アニメだけハイクオリティに作れば、きっとわかってもらえる、
        などという考え方は、古い昭和的な思考なのかもしれませんね」
【ロノウェ】「まさに同感でございます。最高の雰囲気と環境とサービスの中でこ
       そ、最高のお料理は最高の真価を発揮できるのです」


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【ベアト】「ふぅむ、さすがは金蔵の血を引くだけのことはある。やはりあやつ、
      そういう方面の才能があるのやもしれんなぁ」
【ワルギリア】「さぁさぁ、ベアト。私たちも収録に備えて台本のチェックをしま
        すよ」
【ベアト】「あれー? 妾の台本はどこー? というか、このミカン箱の山、邪魔
      なんだけどなぁ」
【ロノウェ】「ぷっくっく。お嬢様の台本は、そのミカン箱の山の中身、全てでご
       ざいますよ」
【ベアト】「ぎぇえぇぇぇ、うみねこ収録の恐怖ッ、
                 忘れてたあぁぁぁぁぁ……!」


こうして、華々しく「うみねこアニメ第2期」が発表され、それと同時に様々な放
映前戦略が開始された。

【戦人】「知名度と好感度を同時に上げるには、単純接触効果を用いるのが最も効
     果的だ。だが、無駄に広範囲に行って、広く薄くでは効果がないし費用
     がいくらあっても足りない。だから、最も取り込むべきそうをしっかり
     とターゲッティングして、効果的に策を投入していく必要があるんだ!」
【制作委員】「それはつまり、どのような層に?」
【戦人】「いわゆる、ライト層だ」

 ライト層。……キレイな言葉だ。
 現実にはライトどころか、超ヘビーな層なのだが、まぁとりあえずそれは置いと
いて。
 彼らの盛り上がりが、そのままムーブメントの勢いを示す。
 逆を言えば、ムーブメントとは即ち、彼らの盛り上がりを指すのだ!


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【戦人】「徹底的なうねりを作る! 点じゃなくて面で攻めるんだ。矢じゃなく機
     関銃で!そして散弾銃で! 絞った的に全面的に襲い掛かる!! 秋葉
     原を、ネットを、ニコニコをpixivをyoutubeを、うみねこの話題で埋め
     尽くすんだッ!!」
【制作委員】「いわゆるステマというヤツですか?」
【戦人】「ステルスなんてコソコソやるんじゃない! むしろ堂々と、豪快に!!
     ステルスならぬ真正面からガンガンマーケティングだぜ!!」
【制作委員】「どれだけ攻めますか? もちろん、攻めに応じた資金が必要になり
       ますが……」
【戦人】「そうだろうと思って、すでに偉大なる大スポンサーさまにさらなる追加
     投資をお願いした! うみねこの素晴らしさがより世界に広まるならと、
     サクッとご快諾いただけたぜ! さらにドーンと恵んでいただいた!!」
【制作委員】「おおおッ、素晴らしい!! オイルマネーバンザイッ!!!」
【戦人】「日本で研究中の、オーランチキチキなんとかという菌の研究を妨害せよ
     との密命も受けたが、うねみこ第2期の為には避けられない尊い犠牲だ
     ぜ……」
【制作委員】「追加予算を元に、圧倒的悪魔的なマーケティング作戦計画を作成し
       ましたッ。ご決済を……!!」
【戦人】「よし、構わんッ!! いざ、開始せよッ!!!!」

こうして、圧倒的悪魔的かつ黄金的無双的なマーケティングが開始された……!!
 秋葉原は、右を向いても左を向いても、うみねこか、他作品とうみねこのコラボ
レーションの告知ばかり。
 往来を走るラッピングバスも、大々的にうみねこをPRしている。
 電車に逃げても、車両の中の広告は全てが全て、うみねこ推しだ!

ネットでは、ヱリカとベアトの対決の数々は、全編3Dらしいと噂されている。
手品エンドも魔法エンドもアニメ化し、うみねこ翼までで4クールアニメになるら
しい?!
原作者完全描き下ろしの新エンディングエピソードが円盤購入者に特典として配信
されるらしいなどと、様々な憶測が飛び交っている。


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【朱志香】「すげぇぜ……。何から何までうみねこ尽くしだぜ……」
【譲治】「戦人くんは攻めるなぁ……。こういうのは、かえってゴリ押しとか言わ
     れて嫌われるんじゃなかったっけ……」

 普通ならそう考える。だから自重する。だからステルスにマーケティングする。
 だが、そのステルスマーケティングが鼻につくと、これまでずっとバッシングさ
れてきたのだ。
 何が気にくわないのか? 宣伝した作品の品質と、宣伝方法の傾向が、一致しな
いからだ。
 立派な作品ならば、どうどうとアピールすればいい、宣伝すればいい!
 なのに、コソコソと裏で暗躍して自然発生的な人気を演出しようとする姑息さこ
そが、若者たちに不快感を覚えさせてきたのだ!

 だからこそ、平成の新世代はその潔い宣伝手法にむしろ喝采を送り、ネタにさえ
した。
 LINEではうみねこスタンプが大流行! 物語中の名台詞も大流行し、あちこちの
学校で聞かれるようになった! 一度ムーブメントが出来れば、あとは追い風!
 モ○ストやパズド○とのコラボが次々に決定!! ネット上では、【今ならSRベ
アトもらえる!】 を見掛けない日はない!
 しかも、今からもう、今年の流行語大賞は「うみねこ」で内定しているという凄
まじさ!

【戦人】「アニメ中でベアトに、ベアト政治を許さないと3回言わせることが条件
     だがな。まぁ、それくらいは仕方あるまい」
【ベアト】「なんだ、ベアト政治とは?」
【ワルギリア】「よくわかりませんが、暗黒魔法よりもはるかにどす黒い何かを感
        じます……」
【戦人】「うみねこ第2期を盛り上げる為なら、暗黒魔法も黄金魔法もガンガンぶ
     ち込むぜ!! まだまだ行くぞーーッ!!!」


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 グッズ系も次々に登場! フィギュアにトレカ、ポスターにキャラソン、抱き枕
にシーツ、公式同人誌と枚挙に暇なし。
 有名ブロガーたちはこぞって、うみねこを取り上げ、ヨイショヨイショのお祭り
騒ぎ! うみねこ声優たちの武道館ライブも決定! 九段下の駅前は「余ったチケ
ットをお持ちの方、譲って下さい!」のフリップを持つファンたちがぎっしりだ!
 挙句の果てには、記者が官房長官に対し、「うみねこの人気をどう思うか」と質
問! これに対し官房長官が、「一般論として申し上げれば、大変な盛り上がりだ
と認識している」と答弁!
 ホワイトハウスでは報道官が記者に対し「そのネクタイはうみねこの公式グッズ
かね」と尋ねるシーンが放送される!
 六軒島周辺には、某国の公船と数百席の漁船が押し寄せ! 某国の内戦では、互
いがなっぴー萌えだとわかり電撃的な停戦にまで結びつき!
 さらには時空改竄が行われ、リオオリンピックの閉会式で、首相は戦人コスチュ
ームで登場して大盛り上がりになった! ということにさえなっていた!!

【記者たち】「ここまで盛り上がっている『うみねこアニメ第2期』ですが、果た
       して本当に期待に応えられるのでしょうか?!」
【戦人】「ご安心下さい。私が完全なるクオリティコントロールを行なっています。
     それを心配されることは、完全なる杞憂だと申し上げておきます」
【記者たち】「全世界60億人のうみねこファンの期待は決して裏切られない、と
       いって、差し支えないのですね?!」
【戦人】「もちろんです。世界は最高の『うみねこ』を体験するでしょう。そして
     それは、間もなくです」

 約束された『うみねこアニメ』の勝利!!
 世界中の各紙は大々的にトップを飾った。


 ……しかし一方で、払拭し切れぬ悪い噂も聞かれていた。


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 大人気のうみねこグッズは、戦人の厳重なクオリティコントロールによって、確
かに最高のクオリティとなっていた。
 たとえば、煉獄の七姉妹フィギュア。七姉妹を全て集めるとボーナスパーツで縁
寿が作れるという優れものだ。
 七姉妹コンプの為に大勢が競って買い求め、かなりの利益を出したように思われ
るが、実はそうではないらしい。
 七姉妹の衣装の細かなディテールや、太もものエロスなど、徹底的な慣習を元に
何度もリテイクされ、生産に入った段階であっても、股間フリルの形状が気に入ら
ず、全て廃棄して作り直しということさえあった。

 その結果、あれほどの爆売れにも関わらず、赤字だったというのである。
 その他のグッズに関しても同様の噂は聞かれ、究極のクオリティを求めるあまり、
採算を完全に度外視してしまっている例が多々あるという。

 しかし戦人は、作品そのもののクオリティと同じくらい、放映直前のオーディエ
ンス、モチベーションが大事だと考え、採算度外視を前提に攻め続けた。
 これは商売ではない、ファンへの還元だ、奉仕なのだ!
 そう制作委員会を鼓舞した。

 もちろん、この方針はアニメ制作の現場へも持ち込まれた。
 監督、作画監督、脚本家は、すでに両手では数えられない人数が更迭された。
 戦人が自負する最高の陣容となっても、リテイクは嵐のように吹き荒れた。
 当然、これは現場の士気を著しく下げる。
 行き過ぎたクオリティコントロールは、かえってクオリティに悪影響を与えたの
だ。


 ……この頃から、オチが大体読めてくる……。


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【テレビ】「いよいよ、うみねこ第2期の放映まで3分を過ぎました!! あ、今、
      右代宮戦人氏が姿を見せました!!」
【戦人】「全世界の皆さん、お待たせしました。いよいよ、うみねこ第2期のスタ
     ートです」

【ベアト】「いよいよ、アニメの放映であるなぁ! 妾、ミカン箱全部の台本、チ
      ョオ頑張ったのだぞ」
【ワルギリア】「楽しみですね。正座しながら見なくてはなりません。ほほほほ…」

【留弗夫】「それでも、万人に満点をもらうのは不可能だろうなぁ。作画の好みは
      人によって全然違うんだからよ」
【蔵臼】「戦人くんも、そこにかなり苦しんだと聞いているよ」
【絵羽】「でも、彼。取材で、全ての人に絶対に納得してもらえるって豪語してた
     そうよぉ?」
【楼座】「すごい自信ね……。楽しみな気持ちと怖い気持ちが半々だわ」

【テレビ】「あ、放映開始1分前です! 放映開始のカウントダウンが始まりまし
      た!!」
【戦人】「それでは全世界のうみねこファンの皆さん。お待たせしました。これは、
     私どもからの、全世界のファンの皆さんへの贈り物、……いや、挑戦状
     です」
【テレビ】「挑戦状とは、大胆ですねっ」
【戦人】「うみねこのなく頃に。そのテーマはたった1つ。
                  “愛がなければ、視えない”」

【ベアト】「収録、本当に大変だった……、そして長かった……。アンド、収録ス
      タジオの空調、効き過ぎで寒かった……!! だが、その苦労がよう
      やく報われる……! 妾の美貌が、活躍が、ようやく映し出される…
      …!! それッ、3、2、1ッ!! スタートぉおおぉおお!!!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


その時、……停電が起こった。 全世界で悲鳴が起こった。
 ……いや、違う。……停電が起こったのは、テレビだけだ。
 しかも、映像だけ。………音声だけは普通に流れているのだ。

【譲治】「……こ、これは一体……?」
【朱志香】「画面だけ真っ暗だぜ! テレビの故障かよ!」
【譲治】「いや、ネットを見る限り、世界中でそうみたいだ……」

【ベアト】「こ、これはどういうことだ?! 妾の美貌や活躍が、全然映らないで
      はないか!!」
【ロノウェ】「お嬢様。これはもしかすると……」
【真里亞】「うー。真里亞は見えるよ?」
【ベアト】「見える? どういうことか!」
【真里亞】「愛なければ、視えない。うー!」

 ……その後、世界中のネット上では、素晴らしいアニメだった、俺は信者だから
映像が見えた!、視えないとか言ってるヤツはアンチ、などという発言が相次いだ
というが…………。



 ドガアアアァーーーーン!!!!

六軒島の客間に壁をブチ抜いて、ベアトの乗ったティーガー戦車が突入してくる!

【ベアト】
「戦人はどこだああぁああああぁああぁああッ!!!!」

【譲治】「スタジオディーンにセル画を描きに行くと言ってましたぁぁぁぁぁ!!!」


                               -おしまい-


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 2016/10/16 07th MASQUERADE
  奥付・問い合わせ : bbs@07th-expansion.net
       Twitter : 07th_official
        印刷 : 大陽出版様

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