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07th Expansion Interview Series 2: Rokkenjima no Arukikata EP2 (07th Expansion インタビュー シリーズ2 六軒島の歩き方 EP. 2 07th Expansion Interview Series 2: How To Walk Rokkenjima EP2) is the second interview in the Rokkenjima no Arukikata series. It was published in Toratsu's 130th issue, the March 2008 issue and released on February 25, 2008. It concerns Turn of the Golden Witch's development.
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さて、再び虎通の誌面に「なかせ方」シリーズとして帰ってきたのですが、改めて定番としてのスタートということで、昨年のコミックマーケットはいかがだったでしょうか?という所から始めさせていただきたいのですが。
竜: 全体的な手ごたえとして一般の方が増えたなぁという感覚がやはり大きいのですが、それでもコミックマーケットのブースに来ていただける方というのは歴戦のツワモノの皆様。なので(笑)、ひぐらしの時と変わらずに楽しく参加させていただきました。
八: 僕も冬はちょっと難しいですが、EP1発売の夏は参加させていただきましたね。
竜: 夏男だからねぇ。
また昨年の夏は本当に暑い、冬は本当に寒い開催でしたね。
BT: 今回の冬は本当に寒くて、あと季節柄空気が凄く乾燥していたので売り子さんが大変そうでした。
竜: 皆、喉にきちゃったんですよ。私も最後尾看板を渡した後に列の整理をしていたらガラガラになっていました。daiさんは寝込んじゃいましたし。
dai: はい。年明け一週間をインフルエンザで過ごしました(苦笑)。
竜: そのせいもあってか、07th Expansionでは手洗いうがいを推奨していまして、それでも倒れてしまったのは、きっと彼オリジナル療法のアルコール殺菌を推奨しすぎたためではないかと(笑)
(一同笑)
健康志向、ひいては円滑な制作体制の維持のためでもあるんですね。
竜: もちろんですね。マスターアップ前の急場は本当に誰かが倒れたらアウトだし、皆自分の持ち場を生かすことで精一杯ですから。クオリティを追求しようと思ったら、とにかく健康でないといけないなぁと思っています。どうしても狭い環境で制作をしているので、一1人が風邪でも引くと一気に全員にうつってしまうということもありますし。
健康に気遣う職場というのは素晴らしいですよね。
BT: フフフフッフ(一人含み笑いを始め次第に笑みが大きくなる)
八: どうしたの?
BT: あっすみません、ちょっと防虫剤の事を思い出しちゃって(笑)
竜: ああ、あれは酷かったなぁ。
何かあったんですか?
竜: BTさんにカメラとか湿気に弱い備品用に乾燥剤を買ってきてとお願いしていたんですが、何を勘違いしたのか樟脳(防虫・防腐剤として用いられる)を買ってきちゃって、家の中が独特の凄い匂いで満ちてしまった事があって。
BT: とても耐えられないような凄い香りになったんですよ。
八そのタイミングで住んでいるところに工事が入ったりして。
竜: もう樟脳とペンキのダブルパンチに近くの工事の爆音とかで...。トリプルパンチの凄い時期でした。
健康志向といえば、某社様の真相解明読本も拝読させていただきまして、IceboxにハーマるBTさんや、某乗馬機に乗る皆様というのが非常に微笑ましかったのですが。
BT: Iceboxが売ってないんですよ!
竜: まぁ、冬だしねえ。それでも今は某NEXとか相変わらずですね。
BT: 昨年冬のトレンドは春雨ですよ。
竜: 夜中に作業とかしていると、とにかくお腹が空いてくるので何か食べたいんですけれど、おかしやラーメンは体重的にも健康的にも考えてしまっていたんですが、BTさんが春雨関連食品に着眼して、もうあるだけあらゆる種類を買い込んできたんですよ。ところが基本的に春雨は春雨なので、味付けは色々あっておいしいのですがベースが変わらないので、だんだん心を蝕んできてしまって(笑)
(一同爆笑)
八: その前は健康クッキーを買ってきていたねえ。
竜: 毎回修羅場の度にブームやマイフェイバリットが生まれるんだけれど、過ぎてみるとそれがトラウマになっているという。
いったいそのブームの火付け主はどなたなんですか?
(一同黙ってBTさんを見る。)
竜: 修羅場が始まって07th号が漂流を始めると、最初錯乱しはじめるのがBTさんなんですよ(笑)解明読本にも書いてありますが、お菓子を頭の上に乗せて'ヒー!うめえ!!"と、か言いながら踊り始めて。皆がやめろ、気を確かにしろ!!って止めるんですよ(笑)
変わらず和気調々とした07th Expansionの皆様でとっても嬉しいです。
竜: 本当に古くからのメンバーと一緒ですし、あと何よりdaiさんが来てくれると職場が引き、締まるんです。ずーっと篭って作業を続けていると、徹夜明けの学生みたいに、ある人は漫画を読み、ある人はTVを見て、ある人は転寝をしているような状況になってしまう中で、「次は何をしましょうか?」って言ってくれるdaiさんの存在というのは本当にありがたいです。うみねこになって一番意識しているのは各メンバーの持ち場という部分で、今までは次はあの作業、その次にこの作業という具合に分割された工程を全員でワラワラとやっていたんです。今回のEP2は過酷な状況だったんですけれど、それを乗り越えられたのは各担当が持ち場でベストの意識で作業に入れたからだと思っています。夏明けに私がインフルエンザで寝込んでしまって、その後もモチベーションが戻らなくて2007年の9月から後の一ヶ月を全く無駄にしてしまった事もあって、本当に取り掛かりが難しかったんですよ。
虎の穴のスタッフとして、また全国のユーザさんに対して失礼な質問だと思うのです。が、ずっと走り続けてきた07th Expansionに、一度のみ一作のみ出展を止めようとお考えになったことはなかったのですか?
竜: それは全くありませんね。ある意味で自由な時間というのは諸刃の物で、一度慣れてしまうと次もその自由に流されてしまうかもしれない。そういう意味ではEP2ではなく、EP1の初期で「ひぐらしのなく頃に礼」からすぐに「うみねこのなく頃に」に入れたことは、もしかすると最大の成功だったのかもしれません。
制作に関する熱意は本当に感じ入る所があります。何時のインタビューでしたか『家族で沖縄旅行に行くんですよ』とおっしゃっておられたのが、今回こういった形(紗音・譲治)で帰ってくるとは思いませんでした。
竜: おお一懐かしい、タイムカプセルみたいですね。ちょうどその折に沖縄の写真を山ほど撮ってきて、それが冒頭の沖縄のシーンに繋がってきているんです。まさか、首里城前の風景にうみねこのタイトルロゴが出てくるとは誰も思うまい(笑)
あのシーンは作品中で最初から定められたものだったんですか?
竜: 完全に決め撃ちというわけではないですね。ひぐらしの頃からの習慣でどこかに行く度に必ず写真を撮るようにしていて、都会・田舎・住宅地・おしゃれな喫茶店であるとか今では莫大なライブラリになっているのですが。そこから作品のイメージとすり合せてシーンを形作っています。いつどんなシュチュエーションが必要になるかわからないのでで、素材になりそうな物はとにかく何でも撮ってます。
シーンのイメージやプロットが上がってからロケハンにいくものではないのですか?
竜: 何と言うか奇抜なシュチュエーションであればあるほど、必要になった時に探すと間に合わないんですよね。例えば座敷牢のシーンが急に必要になった時にすぐに用意って、やっぱり難しいじゃないですか。なので先回りして座敷牢のあるような場所を探しに行くか、そもそも無いという事で別の何かで代用するかしかないんです。昔は私が『こんなシーンが欲しいんだけど』と言う度に八咫桜さんが探してきてくれたんだけど、ひぐらしはテーマ的に夏の物語だったので春・秋・冬の印象が少しでも残る素材というのは全て使えなかったんでかなり大変だった気がしますね。
思い出してみると「ひぐらしのなく頃に」での園崎家拷問室とか中々取れるものでは無いですね。
八: あれは最初のロケハン地での農具部屋の写真が主なものになっています。座敷牢の格子も、最寄りの古い神社の格子だけを写真に取ってそれを暗く加工したものですね。
竜: あと警察署のシーンとかは、会議室のような真っ白な部屋の蛍光灯やがっしりしたガラスの灰皿で雰囲気を作るとか工夫はしています。まさか警察署に入っていって写真取りまくるわけにはいかないですからね。
ではいよいよ本編のお話に入りますが、「うみねこのなく頃に」のEP1・EP2を通してプレイさせていただいて顕著に感じるのは「ひぐらしのなく頃に」とは随分異なったミステリに対するアプローチ、推理"という”思考法"に対するユーザへのアプローチが異なってきたのではないか?と思うのですが、その辺りはいかがでしょうか?
竜: まず初めにこの場をお借りして以前お話したことを一つ訂正しなくてはならないんです。ひぐらしの本当に初期の頃にあまり本は読んでいません"とお答えしたことがあったんですが、何だか私が全く本を読んでいないという印象が一人歩きしているようで...(苦笑)。講談社さんにインタビューを受けていた折に、本の名前を言ったら作者名と過去作品がソラで言える様な方達に囲まれていて、お相手が奈須きのこさん、インタビュアーが渡辺浩弐さんとまた読書家の方達ばっかりだったので。こんな人たちに囲まれて本を読んでいるなんて絶対に言えないなぁと思っていたもので、その折にあまり本は読んでいないと応えてしまったのですが、100冊ぐらい読んでいる人が趣味の欄に読書と書くことが許されるなら、和書・外国書・文庫含めてそれよりは遥かに読書をしているほうだと思います。
その上で先ほどの質問に戻らせていただくならば、「ひぐらしのなく頃に」という作品はミステリ風に仕掛けてはあるんですけれども、その中のジャンル分けでも”社会派ミステリ”に近いものだと思うんです。けれど物語の登場人物達は"本格派ミステリ"的な考え方をしており、そこから生まれる社会の皮肉としてのギャップが面白いのではないか、世の中はパズルじゃなく現実的な色んな人の悲劇や悲しみという思いが事件を形作っていくのではないかという考えを基に構築されているんです。
対して「うみねこのなく頃に」はジャンル的に"パズル・ミステリ"や"本格派ミステリの思考法を"意識"しているんです。ここで気をつけて頂きたいのは文字通り"意識している"ということで、この物語が“本格派”として描かれているのか、ファンタジー満載の"アンチ本格派”として描かれているのかという所はユーザさんに推理していただきたいと思っています。単純にジャンルが異なるのでアプローチが違うと感じられるのかもしれませんね。
そのアプローチの方式の下地が“古き良きド・テーマである所の孤島の連続殺人”という前回のコメントに含まれたものなんですね。
竜: そうですね。近年良く見かけられるような様式美の物語ではなくて、例えば江戸川乱歩先生の作品に出てくるファンタジックな物語の隠し扉”や、怪人20面相の絶対見破れないほど高度な変装”とか、完全に手なづけられていて隣人を殺して帰ってくる蛇”、マンションの雨樋を伝って上ってきたオランウータンとかね。19世紀から20世紀のミステリってもの凄くジャンルの幅が広いんですよね。日本では”本格”が一人歩きしている観がありますが、その反対の"変革"であり、叙述"であり、ひぐらしの根幹である"社会派"も一つのジャンルですね。
"社会派ミステリの特徴としては、ある事件がリアルに描かれるんだけれども、ヒューマンエラー、世論による弾圧、捜査方針の変更、冤罪や鑑定ミスという様々な現実に起こっている物事が有り得る事実”として描かれるんですね。昔、ひぐらしで鷹野三四の焼死体に対する死亡推定時刻の真偽を公表した折に、警察が死亡推定時刻を間違えるというのはミステリとしてアンフェアだ!と一部の方が言っておられた事があったのですが、それがアンフェアになりうるのは本格”ミステリ嗜好の方に限る条件でもあったんです。先ほど江戸川乱歩先生のお名前を出したのですけれど、乱歩先生の作品って凄く幅広いジャンルなんですよ。怪人がいて、孤島にさらわれた青年の不思議な話があって、都会の闇を闊歩する化け物、それが狙うのは価値の高い骨董品だけ、果たして犯人が化け物の怪奇ミステリなのか、それとも化け物に偽装した知能犯による本格ミステリなのかそれとも…と、読者は最後の最後まで物語の根幹であるどちらかもしくは、そのどちらかですら無い、もっと別な何かなのかを必死に考える。私はこの世界観を作ってみたいというのがありました。うみねこで提案した『推理は可能か不可能か』というのは正にこの部分を指すのかと思っています。『この作品はいったい何のジャンルなんだ?』という所を考えて欲しいと思います。
テーマとジャンルについて伺わせて頂いた上でもまだ問わなければなりません。それはどうすれば僕はこの「うみねこのなく頃に」という盤面に勝利できるのか?そもそもルールは何なのか、勝利・敗北条件は生なのか死なのか、何が真なのか何が偽なのか、ミクロな一つ一つの殺人を回避する物語なのか、マクロな惨劇を回避する物語なのかを未だ掴みきれないというところにあるんですけれども。
竜:今、私が答えてしまうことは簡単なのかもしれませんが、それをお答えすることは出来ません。作品の楽しみ方を狭めてしまうような事はもちろんまだ言えない所にあるものだと思っています。例えばRPGだって最終的な答えはボスを倒すことにあったとしても、そこに辿り着くまでの枝葉があってこそのゲームであり、楽しみ方押し付けない方法だ。と思っています。だからどれを解かなくてはいけない。何が勝利条件なんだという部分というのは設けていないです。
もしスコアをつけるならばその幾つもの謎に気づき、それに挑んだ人のほうが点数は高いでしょう。「ひぐらしのなく頃に」を作っていた頃に頂いた同じ問いにお答えした折に、『あなたが謎に思ったものを書き出し、それに対する答えを書き出したその文字数が、貴方の点数になります」とお答えしたことと変わらないと思います。これが勝ち負けではなく楽しみ方のお話になると思います。それでも勝ちと負けという二つのベクトルでのシンプルなお答えが欲しいという方ならば、それは第一話で提示した一番シンプルな問いである"魔女を否定し続けるか、否かということに尽きると思っています。多くの皆様は意外と防御が味かな所があって、『魔女いるじゃん!?」と認めた上で化けの皮をはがそうとしているのでファンタジー論にいってしまうんだと思うんです。でも考えてみるとEP1の頃にどれほどの人が魔女の犯行を信じていたんでしょうか?
お茶会にしか出てこなかったですもんね。
竜:でもEP2が終わってみると皆完全に魔女の存在を認めている、もしくは認め始めている。あれだけベルンカステルがお茶会の折に魔女の存在を信じちゃいけないといっていたにも関わらず意識が切り替わっている現実。これがサウンドノベルとしての「うみねこのなく頃に」で初めて挑戦できたゲーム性だと思うんです。それはつまり魔女に屈服するか否かという選択をするかしないかというゲーム性ですね。屈服しない人たちは最後まで魔女に抗い続けて人間的な犯行を立証し続ける。屈服した人たちはファンタジーとして楽しんでいただけると思うんです。
ちなみに僕個人は、魔女の存在は在る。しかし犯行は人間の犯行であるというスタンスで楽しませて頂いているのですが。
竜:それは羽入的存在説ですね、超自然的な存在は居るが惨劇は人間であるという、つまり超自然的な観測者の存在は疑わないが犯行は別という考え方で、ひぐらし出身者には多くおられるようですね。
出身者としてはその位置づけを考えてしまいますね、その考えにゲームマスターである竜騎士さんはもう気づいておられて、それすらトリックなのではないか?と悩んでしまって。そもそもルールはどこにあるのか?思考への取掛かりは何所なのかと悩んでしまったりしていますね。
竜:竜:昔のRPGって結構そんなものだったと思うんです。例えば某有名RPGの海というのがどんどん狭くなっているというお話を聞いたことがあるんです。ストーリー主導型になる前のRPGって、広い世界を自由に渡り歩いて主人公達が成長する物語で、その所々に関門的な中ボスや謎があって、それを一つ一つ繋げてゆく事に楽しみを見出せたんだと思うんです。
昔のRPGは、例えば中盤に船が使えるようになると行ける所が多すぎて何をやってよいのか解らなくなって挫折してしまうそうなんです。見知らぬ大地を歩いて見知らぬ町を見つけるあのワクワク感を0から探す旅。それが今の位置”の「うみねこのなく頃に」だと思うんです。ただ読むだけのサウンドノベルであり、得点もGAMEOVERの文字も何も出るわけではないのに、物語に対して挫折する方と物語に抗う方が出てきてくださるという挑戦的なテーマを作りたかったというのがあります。
僕は丁度今波止場を出て途方にくれているところです。
竜:その所在無さも楽しんで欲しいです。だけどこのインターネット時代には、手引きとして色々な人の推理や解明読本のような本が出ている。色々な人の色々な発想を見ているうちに突破口がひらけてくるかもしれない。向き合った謎を人に話し、またそこから違った視点での判断を聞き、新たな可能性に進む。そんなコミュニケーションによる集合知性がひぐらしから続くこのゲームの謎への最良な取り掛かりではないかと思います。その上で屈服した人が負けではなく、ファンタジースタイルとリアリティスタイルの二つのコミュニティが独自の考えでそれぞれの物語を進展させることも大切なことだと思っています。ただ作品のスタイルが非常に挑戦的になっているので、『屈服したら負け』ですよ、どれだけの人が屈服しないでリアルとしての犯行を信じられるかふるいにかけていますよ。貴方は何所まで耐えられますか?』という世界観はジャケ裏から提示させていただいていますよね。
なるほど。
竜: ひぐらしに比べて本当にうみねこは親切だと思います。二話の時点からベルンカステル様がお茶会にお越しいただいて、こういうゲームですよと説明して下さっていて、ベアトリーチェも口では酷い事を散々に言いながら「わらわを否定してみろ」と懇切丁寧に遊び方を指示してくれているという。ものすごいツンデレなゲームなんです。
例えばそのゲームシステムのルールとして、2日間の間、全員が生き残るのが必要な、んだろうかと疑ってしまうんですよね。
竜: 全員が生き残るというのはひぐらしを継承しているだけですよね。そもそもひぐらしで全員が生き残らなくてはならなかった理由というのは、ひぐらしのテーマが連帯・連携だったからなんですよ。全員で仲良く突破しようという世界観だからこそ求められたことだったわけです。だから仮にうみねこで全員死なないでクリアしようという条件を探るならば、なぜ全員死なないというルールが必要なのかという世界観を探る必要がある。ひぐらしが友情・連帯・全員による勝利による誰も死なない世界という括りだったならば、うみねこの世界の括りは何所にあるのか何なのかを探る事が必要ですよね。
それこそが盤面のルールなんですね。
竜: この世界では何を探ることが目的なのか、本当にカンの良い方ならばこの世界での勝利条件というのは何なのだろうな?と考え、ある程度ご自身の考えに至っているのかとも思います。ひょっとすると全員で生き残るというひぐらしの世界の括りと、うみねこの世界の括りを比較すると……。これ以上申し上げるとつまらなくなってしまうのかもしれません。最終話のラストの絵はもう浮かんでいるので、どういうふうな広がり方で最後に向かうのかを考えているんだけど、本当に今が多分一番楽しい時期なんだと思うんですよ。すべての答えが出てしまって、仮に二日くらいで全編をプレイするよりも、ドキドキしながら、色んな人と話しながら一話一話追っている時が一番楽しいんだと思うんですよね。
トンチンカンな質問ならば恐縮ですが今回の赤文字のデバックは結構大変だったんではないですか?
BT: それほど大変な部分ではありませんでした。タグのように囲んで文字を赤に指定して表現するだけなので、作業的にもそんなに大きなものではなかったです。
竜:セリフの前にキャラクターの表情を変えるぐらいの違いでしたね。それよりも場面に合わせて文字の表示速度を調整するほうが実は大変でした。体感でパッと解るものではないので、あっちのほうが大変だったな。
文字の表示速度といえばやっぱりつるぺったんに勝るものは無いのかもしれませんね。
竜:あれは今回丁度うちのスタッフで流行った物で、それが余りに流行りすぎて「Silver Forest」さんに11月ごろかな?結構ギリギリの時期にメールでお願いしたんですよ。その折には全く面識は無かったのでメールでラブレターをお送りしたんですが、本当にすぐにご快諾いただけて、『じゃあやっちまえ!!』という気持ちで作ったんです。BTさんが結まってる頃だったけど、時間を空けてもらって某動画風に作ってくれとお願いして3日ぐらいで力作を仕上げてくれたんですよ。
某動画風という画面上の決まりの中に先ほどおっしゃっていた文字制御で製作したんですね。
竜: 元々今使っているツールというのが、サウンドノベルを作るためのツールでアクションゲームを作るための物ではなかったので、最初に作ったものではすごく処理が重くなるし、文字が二列ぐらいしか出せなかったんで大改造したんです。
BT: Nscriptの新しい機能にデモ命令というものがあって、それを使うとかなり早く画面の描画処理ができたので、上手く弾幕のような感じが出せたと思います。
竜: あのやり過ぎ感は素晴らしかった(笑)
やっぱりあのシーンでの某東方のコスプレというのは。
竜: EP1が終わった時から魔理沙っぽいといわれていたので、魔理沙ですが何か?と(笑)
(一同爆笑)
竜: このあたりのユーザさんとのコミュニケーション感は大事にしたいと思っているんです。
富竹フラッシュとか。
竜: 譲治は自分で描いていたころから富竹っぽいなとは思っていたので(笑)、そういう面白さというか公式による二次ギャグとかは好きで取り入れています。
質問を戻させていただいてEP2のキャラクターについて伺わせていただきます。丁度今が第二回人気投票期間中ということもあってすごく気になるんですが、まず何故に郷田9位かと。
(一同笑)
竜: 人気投票はひぐらしの頃から特定の傾向があったのですが、トータルの人気が出てくるのはゲームが完全に終わった後だなと。ゲームの途中では直前の作品、一番旬なキャラクターの印象が強すぎて本当の人気は計れないなと思いますね。前回は夏妃がすごく人気があったと思ったら今回は郷田の人気が上がっている。裏を返すと次回作で今まで全然スポットの当たっていないキャラクターに注目すると人気が上がる可能性はありますね。
悔しいですが、今回の郷田は自らの誇りを知るカッコよさが好感度高かったですね。前回が嫌な感じだっただけに。
竜: 嫌な奴の良い所というのはやっぱりポイントが高いですよね。印象が逆転すると本当に好感度が一気に上がるもので、面白いですね。
逆に紗音ラブな僕としては何故に11位かと。
竜: 彼氏持ちはツライですね(笑)それは彼氏持ちのカップルキャラクターの宿命なのかも。しれません。そのあたりフリーで謎を秘めた美しい魔女達の人気ぶりが大いに補ってくれていると思いますよ。その中でも彼氏どころか旦那が居る夏妃の人気が何処まで行けるのかというのはすごく興味深い所で、EP1の後の人気投票で上位に入ったときは嬉しかったですね。
EP2でEP1よりはっきりした夫婦間のやりとりの中でも、蔵臼と夏妃に関してはすごく好感が持てましたが、竜騎士さんが描きたいこの作品での夫婦というのはどのようなものですか?
竜: これはハードボイルド作品ではないので夫婦の間に理想を感じて欲しい。人を好きになって結婚して子供が産まれるから社会は成り立っているわけで、皆が皆独身を貫い。ていたら国が終わっちゃうわけですしね。うみねこという作品は親族というテーマとして、家族・血族に関しても大切に見てますし、夫婦仲に関してもちょっとドライではあるかもしれないけど、悲観的には書いていないつもりです。もしハードボイルドに描いたらもっとリアリティあふれる家庭内別居のような表現をしたのかもしれません。ひぐらしではそれを描いて、レナの父親、母親という存在や、沙都子の叔父叔母という家庭問題をリアルに描いた部分があります。うみねこではそれがテーマではないわけで、一見財産問題で、ギスギスしている一族なのにわりと模範的な夫婦が居る。もっとドロドロしたものを書くなら両方とも浮気をしていて離婚間近とかのほうがそれらしい感じにはなるのかもしれません、で謎の娘が当主の隠し子みたいな(笑)
絵羽・秀吉夫婦や、留弗夫・霧江と違って難しい関係なのかなと思われていた蔵臼・夏妃の仲が以外に暖かくて好感がもてました。
竜: あるWebサイトさんでずーっと蔵臼・夏妃の漫画をひたすら描いて下さっている所があって、すごくラブラブな二人でね。楽しませていただいているんです。夏妃の人気はこういう方のおかげなのかもしれません。
BT: 戦人の人気を見ていると、女性のユーザさんや主人公属性を好きになってくれている。
一般ゲームユーザが多いのかなとも思いますね。
竜: そうだね、もうちょっと偏りがあるならばもっともっと煉獄の7姉妹が上にいくんじゃないかな?と思うんだけどね、これくらいの順位(20位外)で収まっているのがおかしいくらいですからね。空気読まずにやはり単独首位がサタンかアスモデウスで、金髪ツインテールが時代の流れなのかと、そのまま1-7位独占とかでも面白かったけどね(笑)
そんな人気の煉獄の7姉妹を遥かに押しのけて今回急上昇の楼座について伺いたいこのですが、あえて壁に触れます。1日目夜、礼拝堂に他の兄弟達と一緒に楼座も居た。それなのにその後の表現がぼかされている理由はなんでしょう?
竜: さーて、何故なんでしょうね(笑)。誰にも聞かなかったから答えなかったんじゃないですか? あの場所には兄弟全員とベアトリーチェが居たわけでしょ。その後兄弟全員死んじゃってベアトリーチェ様がお姿を現さない以上ねえ。誰も知らないんじゃないですか。誰も知らないなら楼座は礼拝堂になんて行かないで部屋で寝ていたんじゃないですかねぇ。そのあたりはどうなんでしょうか(笑)。皆さんが違和感を持たれたらそれが第一歩です。そこから何かが積みあがっていくものだと思います。
今回は前回の夏妃のような立ち居地で楼座に対するクローズアップがあったので、印象が強いですね。元に戻りまして、時の人気に嫉妬を隠せないですね。
竜: あれは熊沢の人気の一つだと思うんですよ。先ほどの煉獄の7姉妹も一人一人じゃなくて7姉妹という一つの括りだったらもっと上にいっただろうし、熊沢票と鯖の票が合わささったらどこまで上がっただろうかと考えるとちょっと面白いですね。
そして戦人、ベルンと人気を二分するベアトリーチェ様がついに色々な場面で光臨しておられますが、違和感に対する質問として、魔女として非常に恐ろしいベアトリーチェと、金蔵に対して哀切の情を見せるベアトリーチェ。人に二面があるように魔女にも二面があるとしても、非常に違和感をがあるのですけれども。
竜: 面白い推理ですよね。ベアトリーチェには複数の人格があるとか、異なるベアトリーチェが存在するのではないかとか、掲示板に書き込んでくださった方がおられましたね。面白い推理ですよねという以上はまだ語れないですね。
EP1とEP2の立ち絵の違いも要素としてはあるのかもしれません。
竜: 外からやって来るので、外着みたいのはないのかなぁとゴスロリ本とかで勉強してました。服装に詳しい方とかがご覧になると、凄い方だとメーカーまで特定されますね。最初に楼座の服が・・のロングジャケットですよねというのが来たときには驚いた。次が嘉音の黒のコートで本当に即バレでした。本当はゴスロリの服装に関してはローゼンメイデンぐらいしか知識がなくて、しかもよくよく調べるとそれすらゴスロリではなかったりして。本当に幅が広くて服の世界も大変だなと思いました。ベアトリーチェに関しても色々組み合わせて形作っていくうちに面白くなってきたんで、次は何にしようかと考えてますね。毎回違う服で、ベアトリーチェの衣装を見ただけでEP幾つかわかるとかだといいな。と思いますね。何より江草さんにベアトリーチェを描いてもらうと我々のモチベーションが上がるんですよね。キービジュアルの力って強いんだと思い知らされました。
そして魔女というと今回同じぐらい印象が強い異界の魔女のお二人。ベルンカステルとラムダデルタですが、すごいインパクトですね。
竜: 魔女勢はすごいですね。TOP10にラクラクで下手するとTOP5に入ってきそうな感じですが。計らずもこのTOP10に入ってきた魔女の人数が幻想の侵食度を表しているのかもしれません。抗う戦人が孤高に立って居るけど戦人が落ちると上位をほぼ幻想勢が、覆ってしまう。まさに今の順位はうみねこの世界観の体現なのかもしれません。
前回は隠しお茶会の中だけに現れていたのでファンサービス的なものなのかなと思っていたのですが。
竜: 実はファンサービスと言いながらも見つけて欲しいものだったんですよ。そんなに意地の悪いコマンドじゃないつもりだったんですが、いつか誰かが見つけてくれるだろう、ネットで気づいた人が見つけてくれるだろうというものにしたかったんですね。けれど意外に気づかないでスルーしてしまう人が多かったので、EP2にあたってシステムを変えたいとBTさんと相談して大立回りの末にああいった形に切り替えてもらったんですね。
BT: 仕様を変更する。マスターキーの数は5個(笑)
(一同爆笑)
八: 今赤で言った(笑)
BT: そんなに無茶な変更ではなかったですし、私としてはお茶会がバンバン人の目に触れるというのは個人的に嬉しいことだったので全くオールオッケイでした。
竜: BTさんが大好きな魔女勢が一杯で。
BT: もう裏お茶会をメインにしてください(笑)
本編にも侵出してきそうな勢いですね。
竜: お茶会も立派な本編なんだよね。
今本編とおっしゃられたお茶会、EP2の所々に出てきている戦人とベアトリーチェの対話は上位存在を意識させる位置づけが垣間見えますが。
竜: 私から語るものではないのかもしれませんが、一つ上の世界の存在に見受けられますね。皆が目の前の事件でああだこうだと話している所を俯瞰的に見て話し合う戦人とベアトリーチェが居る。下位世界にとっては現実なんだけど、上位世界にとってはまるで、お芝居の世界の物語のように見えている。上位観測者が複数居る世界観。しかもその世界が複数、何かある世界であることは間違いないですね。ひぐらしは多磨世界であるという話の説明にシュレディンガーの猫の話をしたかと思うんですが、この中で良く頂上的な観測者の話をしたかと思うんです。ドラマじゃないんだから我々の世界には観測者っていないじゃないですか。世界を同時に知ることの出来る神の目というのが観測者であり、そういうレイヤー層に関す……うーん、中々言いづらいですね。多層世界の新たな表現と思ってくださってもいいし……。まだこれ以上はいえないようです。悔しいなあ、あと一年たったら色々言えると思うんだけれども。ただ、お茶会に関してもう一つだけいえるならば、あれは決して読まなくて良いおまけではなく、本編の一部であることは間違いないですね。ただそれが地続きの世界なのかどうなのかは読みながら探っていって欲しいと思います。
では食い下がってもう一つだけ、ベルンカステルとラムダデルタの二人はひぐらしのニ人に……。
竜: 良く似ていますね(笑)。
ひぐらしをプレイしていない方からすると新キャラ登場!!というような。
竜: それくらいの感覚でよいと思います。うみねこを楽しむのにひぐらしの全プレイが必須ということになるとそれはそれで大変ですので、ファンサービス半分、雰囲気のリンクが半分という所でしょうか。ひぐらしのセーブデータを持っている人が楽しめる要素のように「受け止めてもらえると嬉しいです。よくあるじゃないですが、前作のセーブデータがあると見える世界とか、それぐらいのものとして受け止めて欲しいです。
今までの流れからしても今回は「魔女の要素が本当に深い作品だったんですね。
竜: 名前がTurn of the Golden Witchですからね。ずっと魔女のターンっていうことで(笑)
さすがに魔女のターンだけあって、現実・人間派を駆逐せんばかりのインパクトでしたね。
竜: EP1で魔女を否定する人間での最大の根拠は魔女が居ない事でした。魔女が居ないならば誰かがそれを偽装したに違いないという考え方だったので、そのトップの論拠となるシュチュエーションにすべて魔女が現れるという形としてお届けしたんです。別のインタビューでお答えしたと思うのですが、うみねこのなく頃には、ほとんど全てが製作の数ヶ月~半年前のユーザさんの推理、疑問に対する提示とトリックで作られているんです。だからユーザの心のよりどころを探し出しては潰してゆくというすごくサディスティックなシステムなんですね。だからEP2はEP1の感想を書いた人へ宛てた物であり、同時に彼らが作ったものでもあるんですよ。例えば顔が潰されているからという疑念に対して顔を潰さない死体が存在したり。だからもしかすると次は検死できていないという条件を押さえた上で全ての事件の死体に対してベアトリーチェが赤字説明を入れるかもしれない。でも今悩んでいるのはベアトリーチェの赤すら疑われているので、それを誰に保障させるかが悩みどころですね。
では詰めとしていくつかのガジェットに関する一問一答をお願いしたいと思います。
【設問1】今回の盤面のルール、それに対する解読の指針とは?
竜: 北極星のように輝く何か、それを見つけ出すことが一番の近道だと思います。ただ魔女派か人間派か、それが定まらないと見つけることは難しいのではないかと思います。
【設問2】碑文にある'最愛の魔女ベアトリーチェの一文から鑑みるに碑文を作らせたのは金蔵のはずなのにこの事件がおきているのは何故?答えを知っているなら解き明かしてしまえばよいはずでは?
竜: チェス版理論ではないけれど、じゃあ何でこんな碑文を書いたの?"ということになりますよね。本当に誰にも渡したくないのだったらヒントを書く必要すらないんです。クイズというのは人を試すために、試練というのは人をいじめるための方法であると同時に、それをパスする人を探す方法でもあるんですね。金蔵はこのクイズを出して、誰かに解いて欲しいと思っているのかもしれない。チェス版思考によると金蔵は隠した黄金を隠しきって死ぬ気はないらしい。あんな意味深なものを書いている以上誰かに解いて欲しい。あんなロビーの真ん中に置いているんですしね。
しかも本編中に何度もこの謎を解いてくれと促されている。そのわりに幾つも事件が起こってしまって碑文の謎からぶれてしまっている。
竜: 身内がどんどん死んでいって気にしている暇がないですね。でも二話重ねてこれだけの事件が起こっているからこそ、犯人探しよりも碑文に意味があるのではないかという発想が生まれているわけで、現実問題として傍らで殺人事件が発生しているのにノコノコと宝探しは出来ないですよね。ただEP1の時点でこの謎を解けというのは絶望に近いです。私は答えを知っているからこうやって繋がるんだよというのが解りますが、ノーヒントで解けというのはあまりにも酷い。EPごとに少しずつヒントが出てくると思います。
【設問3】EP2では最初の事件の犠牲者がEP1の犠牲者と異なりましたが、それはなぜ?
竜: あくまでひぐらしの法則によると、プレる情報は必然ではない。共通項のみが必然である可能性がある。ということは最初の6人は固定ではない。しかし6人という数字は固定である。このあたりでひぐらし戦線の方は様々に考えることができるのかもしれません。ただしその事実が意味のあるものなのか無いものなのかはわからないですが。
【設問4】なぜ回収の期限があるのでしょうか?
竜: なぜでしょうか。ただ少なくとも10月5日の晩には毎回物語は終わる。事件が続いて警察が来て、物語は21世紀へ、となってもいいはずなのに。
【設問5】利子の回収が始まる瞬間、つまり契約満了のKEYとは何なのか、金蔵が指輪を投げた瞬間なのでしょうか?
(07Th一同ニヤリと笑う。)
竜: どうなんでしょうか。事件は何時から始まっていたんでしょうねえ。最初の事件は10月5日の早朝、10月4日の深夜であることは描かれている。ではそのスタートはどこでしょう。碑文が書かれたときでしょうか。
【設問6】煉獄の7姉妹に関して、EP2の第一の事件は大食があたるかと思いますが、抗が存在しなかったのはなぜでしょうか?
竜: ベルンカステルも言っている通り、ベアトリーチェは時々無駄な手を指しますからね。ラムダデルタは直球なので読みやすかったんですが、様式美にこだわるベアトリーチェに通じるかは解らないですねぇ。時々結果よりも手段が楽しくなることがあるようですし。
(一同沈黙)
竜: 何もかもを疑える。けれどもそのどこかには必ずベアトリーチェの目的があるはずです。毎回殺人事件が起こる、そして皆殺しにしているという所は一致している。けれどベアトリーチェは遊び心やふざけた一手でごまかしている。
完全犯罪はツンデレではないんです。解けない密室に必ず何かのヒントが残されている本格ミステリこそがツンデレなんですよ。現場に必ず何かの証拠が残っているんですから。闇に葬られた迷宮事件とかこそ完全なアンチツンデレなんですね。
「うみねこのなく頃に」は、一見0%の正解率とか言っているんだけれど、実は幾つかのヒントを残して、『なんで解いてくれないのよ』というあたりがツンデレたる所以なのかもしいれません。碑文がある事で金蔵は誰かに解かせたい、不特定の誰でもいい、嘉音にすら"家具であってもお前が解いてもよい'といっている。今回EP2で一番ベアトリーチェに一矢報いたのは実は戦人じゃなくて、実は紗音なんです。あなたなんて知らない"あの言葉にベアトリーチェは憤怒した。だから皆に信じて信じて~、構って構って〜と言っていまるベアトリーチェは一番ツンデレさんと言えますね、郷田さんのステーキを食べてみんな満足して帰っちゃったら魔女は寂しくて仕方ないのかもしれません。そんなツンデレなお話なんですよ。
【設問7】先ほどから1-2年後には話せそうだなとおっしゃっておられましたが、作品の最終的なイメージはもう固まっておられるのですか?
竜: 何時というのははっきりとはいえないんですけれど、すでに物語全体の構成と最後のシーンにいたるまでのイメージは固まっています。読者の皆様の流れや悩みに対して答えてゆきたいと思っていますし、自分の答えとは別の、皆様が期待している答えも作ろうと思っています。今一緒に読んでいるライブ感を大事にしたいと思っています。
「ひぐらしのなく頃に」と比べて全体的に話の展開が速い印象をうけるんですけれども、今回も物語としては出題と解答という形式は今回も踏襲されるのですか?
竜: うみねこの展開は速いですね。いきなり最初にラスボス的な人物が出てきたり。これが終わったら結婚するんですよねというフラグが立ったり。やはり近年の読者を意識している部分はありますよ。ただ、解答編がなんと呼ばれるものかは決めていません。解と題をつけるかどうかはわからないです(笑)。
ではEP3で語られるものとはどのようなものになるでしょうか?
竜: EEP1で世界観と人物紹介。EP2では敵と味方と、するべき事が語られた、次はいよいよ戦いになると思います。戦人は今回やり込められたけど、敵はわかったし、するべき事も解ってきた。でも戦いといってもBattleという意味じゃなくて、敵を信じるか否かという知的闘争なものになるといいなと思います。
ではいよいよ次は戦人のターンですかね?
竜: と思ったらフルボッコにされて黒のリリアナで、『ズン、チャンチャ、ズン、チャンチャで終わりとか(笑)
(一同爆笑)
竜: 私は読者の期待を常に裏切りたいと思っています(笑)
ありがとうございました。本当に申し訳ありません。今日はせっかく皆様に来ていただきながらどうしてもシナリオとルールのお話が主眼になってしまいました。
竜: daiさん次のEP3では20曲僕の曲が入りますとか言おうよ(笑)
(一同笑)
dai: 頑張ります(笑)
竜: 実際、スクリプトの演出部、改行に関する目配せや、嘉音・紗音の戦闘シーン、何より黄金の蝶なんかは、八咫桜さんが基礎スクリプトをつくってくれていました。
八: 演出部での見せ方は少しずつですが増えてきていると思います。Nscriptで出来る演出としてはかなり頑張ったかと思います。これ以上になると本格的なエンジンを借りてきてカスタマイズするしかないのかなと思います。
竜: BTさんは本当に全てやってくれているよね。掲示板、スクリプトから健康管理まで。
BT: 色々とやりました。つるぺったんの仕事が一番楽しかったです(笑)
では本当に最後に魔女に立ち向かうユーザの皆様へのアドバイスか、次回作への豊富をいただけますか?
dai: 物語のアドバイスは私から申し上げるのは僭越なので、一曲でも良い形で皆様にお届けできるといいなと思います。
八: EP3はまた奇想天外な演出を一つでも込めていけたらいいなと思っています。よしチェ
ス盤をひっくり返すぜ!とかを演出で出来るかなとか(笑)。
BT: 次回作は黒山羊さんが溢れる六軒島を生き残るサバイバルホラーで、デッドライジングみたいに(笑)。
(一同爆笑)
竜: 次回は黒山羊無双で。
八: 黒山羊も擬人化で、
プレイヤーキャラは選べるんですか、戦人とか、裏キャラでベルンとか(笑)
BT: 今のところ選べる仕様になっています(笑)
BTさんがおっしゃると何処まで嘘かわからないのが恐ろしいですよ(笑)
BT: と冗談はさておいて、一番今日のインタビューで思ったのは筆者さんが悩まれているのを見て、うらやましかったです。すごく楽しんでいらっしゃるなって、私自身は、誰も真犯人も全て知ってしまっていますので、そういった楽しみ方が出来なくて…
竜: 今回のうみねこに関しては、07th Expansionの皆と漫画の編集部さんには全てのネタバレはしていますね。わずかな表現ですらネタをしらないと矛盾する恐れがあったんで。
BT: 悩んで苦しんで考えていらっしゃる姿を見て、こうやって楽しむものなんだなということを改めて認識したような気がします。
竜: 今回はスタッフが一番楽しめないのかもしれません。
BT: EP3が出てしまうと、また状況が変わるので、EP2が楽しめるのは今しかないと思うんです。リアルタイムで悩める楽しさを感じて欲しいなと思います。
竜: 毎回毎回新しいヒントが出て、一番楽しめるのは今しかない。この瞬間の連載を楽しんでいただける今を楽しみにして欲しいと思います。
皆様ありがとうございました。