07th Expansion Wiki

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Class Meeting at the Old School (旧校舎の学級会 Kyūkōsha no Gakkyū-kai) is a Higanbana no Saku Yoru ni short story that was released as a booklet at the "Moonlit School Tour" (月夜の学校案内) event on October 20, 2013.

Transcript

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旧校舎の学級会
07th Expansion

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


旧校舎の学級会

 当初は、各話終了時にお疲れ様会の感覚で
 収録される予定で執筆されました。
 しかし、あまりのテンションに本編中には不要と判断され、
 途中でお蔵入りとなりました。
 作中設定とは異なっている事がありますが、
 その辺りも、含めてお楽しみいただけますと幸いです。


10月20日(日) 日直 まりえ よしひと


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


   第1話 “第八怪談募集中”学級会


「私を非難するのはあまりに容易い! だがッ、弁明の機会を与えてくれてもいい
んじゃないかね?!」<金森
「黙れ、変態教師。てめーに弁解の余地はねー。」<保健
「まぁまぁ。自己弁護は誰にも許された権利だわ。」<彼岸花
「ありがとう、彼岸花くんっ。……確かに、私が毬枝くんにしたことは、法律的にも道
徳的にも許されないことと思っているよ! それについては率直に申し訳なく思う
! 毬枝くんッ、すまん!」<金森



「……は、はい……。あの、……ど、どうも……。」<毬枝
「金森ィ。いじめられる方も悪いとか言い出したら、ヌッ殺す。」<保健
「もちろん、そんなことは言わないとも! いじめられた方は一方的に被害者! 
いじめられっこを責めるのはお門違いだ! そうだろう、諸君?!」<金森
「まぁ、毬枝がいじめられっことして美味しすぎるのにも問題はあると思うけどね。ビ
デオ撮られて言いなりって、あんた悪い漫画の読み過ぎだわ。」<彼岸花
「す、すみません……。反省してます……。」<毬枝
「今度からはいじめられたらちゃんと先生に言うんだよっ。私が社会的制裁を、生ま
れてきたことを後悔するくらいに鉄槌してあげるからねっ。」<保健



「……話が逸れてるわ。それで? 金森の自己弁護は何だって言うの?」<彼岸

「まぁまぁ、その前に。一つ確定しておきたいことがあるのだよ…! いじめられっ
こに罪はないと! 責められてはならないと確定しておきたいのだよ! 僕がこれ
以上、醜く毬枝くんに責任転嫁しないためにもね…!」<金森
「それはその、……どうも……。」<毬枝
「……毬枝って、本当に死後もいじめられっこ体質、抜けないわねぇ。」<彼岸花
「んで? いじめられっこは悪くないってことが確定すると、あんたは何だって言う
の?」<保健


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「そうッ、ここで衝撃の告白!! 何と、私もまた、いじめられっこだったのだッ!
! かつて酷くいじめられた私はッ、心に深い傷を抱え、悲しみながら生きてきた
のだ!!」<金森

「だから、自分も同情されるべき立場だと?」<彼岸花
「なわけ、ねーだろー。誰かをいじめた時点で、そいつはいじめっこなんだよ。有罪
、死刑、執行猶予なし。」<保健
「そうですよ……。いじめられっこだったから、誰かをいじめてもいいなんて論法、
おかしいと思います…。」<毬枝
「そうは言うがね、毬枝くんっ。考えてもみたまえ…! いじめられた心の傷の深さ
! それは生涯、残り続けるんだ! ふと疲れた時や、ちょっとした拍子などに、
学生時代の辛い記憶を思い出して、ぅぁぁぁぁ…と声を出してしまう! 君らだって
そんな経験、あるだろう?! あるはずだッ、否定は醜いぞッ、男らしく頭を縦に振
りたまえ…!!」<金森
「そうなの? 私、いじめられたことないからわかんないわ。」<彼岸花



「……まぁ、その……。たまに思い出して……、ぅぁぁぁっての…、ありますよね……
。」<毬枝
「あるだろう?! それはね、一生続くのだよ!! 先生はもうすぐ三十路だがね
ッ、それでも8歳や9歳の頃のいじめが未だに忘れられない! 10年経っても20
年経ってもッ、恐らく、50年経っても死ぬまでッ、僕たちいじめられっこは、その時
の悔しさを忘れられないのだよ…!!」<金森
「大人になれよ。少し引き摺り過ぎー。」<保健


「……でも、……その気持ち、……少しわかります。……いじめられた悔しさって、
……きっと、永遠に消えないのかもしれませんね…。」<毬枝


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「そうだとも!! その心の痛みを少しでも癒すために…!! 自分は今はもう
いじめられていないのだということを確認したくてッ。……ついつい、………ついつ
い、いじめをしてしまうのだよ!! いじめることによって、いじめられていないこと
を確認していないと、僕たちは心の傷で張り裂けてしまうんだッ!!」<金森



「いじめは連鎖するというわけね。……自分はその悲しき輪廻の歯車の内の一つに
過ぎない、と。」<彼岸花
「そうさ、これは悲しい輪廻なんだッ!! 不幸にも毬枝くんの人生はここで終わっ
てしまった! しかしもし仮に! 毬枝くんの人生がこの先、続いていたとして! 
10年後20年後に、その癒えぬ心の痛みから、彼女が誰かをいじめるようなことが
あるかもしれない!」<金森


「わ、私、いじめなんかしませんっ。」<毬枝
「まぁまぁ!! いいんだ、いいんだよ毬枝くん!! それでも多分きっと、いや絶
対ッにいじめるんだよ誰かを!! だがそれでもいいんだよ!! 僕はそんな君
を、それでも許そうと思う!! だって仕方がないんだ! いじめで受けた傷は
永遠に塞がらない! せめてそれを束の間だけでも塞ごうと、僕たちはいじめをす
ることで、いじめられる側ではないことを実感するしかないんだ!! だから君は
悪くない、悪くない!! 誰かをいじめてしまったとしても、君は悪くないんだぁあ
ああぁああッ!!」<金森


「なんちゅー詭弁よ……。ただまぁ、一定の理解はするわね。金森先生。あんたは
然るべき心療内科で治療を受けるべきよ。患者という意味でなら、あんたは同情に
値するわ。」<保健
「いじめられっこは確かに可哀想。でもだからといって、いじめることが許される特
権階級ではないわ。毬枝とて、誰かをいじめたなら、金森と同じ批判を浴びるべき
なのだし。」<彼岸花


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「そ、そうそうッ、そういうことだよ毬枝くんッ、さすがは僕の教え子ッ! 君ならわ
かってくれると思っていた…!! その辛い感情を、わずかに吐き出しただけで、
同情は一気に剥ぎ取られ極悪人扱いだ!! 何この仕打ち?! 酷いッ、惨いッ
!! いじめられっこはそんな十字架を、どうして背負い続けなくてはならないの
か?! これは精神的なハンデだと思う!! 身体にハンデのある人に特別な事
情が認められているように、心に傷がある人にも、特別な事情が認められて良いは
ずだと思う!! それを認めない日本はおかしいッ!! 日本は心のケア後進国だ
!! いじめられっこにも人権を!! いじめられっこにも、辛い感情を吐き出す
権利を!! 僕たちも人間だ! 誰もが生きるために排泄をするようにッ、僕たち
にも辛い感情の排泄が許されるべきなんだッ!! 僕の言い分は以上!! 僕は
正しい、おかしくない!! おかしいと思う君は心の傷を持つ者への差別主義者だ
!! いじめられっこにもケアを、権利を!! 私はいじめられっこを、真に守る為
に立ち上がったのだ!!」<金森


「くす、……くすくすくすくす。ニンゲンとはつくづく業の深い生き物だわ。毬枝は共
感できる?」<彼岸花
「……気持ちはわかります。……でも、だからって。私たちと同じ傷を誰かに与える
権利なんて、ないと思います。……だから辛くとも、……私たちはこの気持ちを、…
…お墓の中まで背負っていくべきなんです…。」<毬枝
「可哀想な話だわ。……だからいじめを憎まなければならないのよ。」<保健



「みんな、聞いてた? 金森が面白い話をしてくれたわ。意見を聞いてみたいわね
。……いじめられっこには、誰かをいじめる権利があると思う? それは仕方がな
いことだと思う?」<彼岸花


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「いじめは犯罪です。事情により刑の軽減はあっても、罪がなくなることはないと考
えます。」<野々宮
「……やられたらやり返す。そんなの当り前さ。」<ひかる
「いじめられたからって、いじめてもいいなんて論法。……私はおかしいと思います
…。」<スミレ
「では君は、誰かにいじめられたら、従順にいじめられ続けることを選ぶと言うのか
い?」<ハメルン


「……いじめられたら、いじめ返す。された相手にやり返すならOK。……因果関係
のない相手にするいじめは、NG。」<みちる
「感情論としてはわかるけど、いじめの連鎖はエスカレートしかしません。私は、い
じめてくる相手には断固無視すべきだと思います。」<榊



「その無視を生涯続けることに、苦痛がないのなら良いのですがねぇ…。」<紅茶
紳士
「……いじめられないのが一番、……っていうことしか、言えないかなあ…。」<沼

「いじめられた気持ちを、いつまでも持ち続けてるのがおかしいと思うな。……例え
ば部活とかに精を出して、ぱーっと気分展開して、悔しい気持ちをリセットしちゃお
うという努力も、大事じゃないかな。」<みどり


「ほっほっほっほ……。活発な意見が色々出るのぅ。大いに議論をしたまえ。諸君。
」<校長先生


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「………あなたはどう思う? 金森先生の意見。……いじめられっこには、誰かを
いじめる権利があると思う? いえ、質問を変えるわね。いじめられっこは、泣き寝
入りをすべきだと思う……?」<彼岸花


   <選択肢>

A.泣き寝入りする。
自分はいじめっこにならない!

B.いじめられっこにだって、
いじめる権利はある!


<A>
「くすくす。そうよね。いじめの辛さを知るからこそ、誰かを同じ目に遭わせるなんて
こと、出来るわけもないわよね。あなたは本当に心が美しいわ。……そうして、心の
中にどんどん辛さを溜め込んで。はちきれそうになった時。……きっとあなたの魂
は私好みの味に、美味しく美味しく育っていると思うわ。……それでもあなたは、誰
にもその辛さを吐き出すことなく、お腹の中に溜めたまま、……………くすくすくす
くす。待ってるわね、屋上のフェンスの向こう側で。……あなたの魂、本当に美味し
そうよ。私の好みだわ。くすくすくす、くすくすくすくすくすくすくす…………。」


<B>
「くすくす。えぇ、そうよね。その結果。……あなたはいじめられたわけだわ。あなた
をいじめたその子も、誰かにいじめられた。そしてその辛さを、あなたに吐き出した
。だからこれは、正当ないじめの継承なわけだわ。だからあなたも、受けたいじめ
を誰かに継承しないとね? いじめこそは私たち学校妖怪の魂の狩り場。どんどん
受け継いで、どんどん受け渡して、学校を世界をいじめでいっぱいにしてちょうだい
。……その代わり。あなたがいじめられたとしても、それもまた、誰かの権利なわけ
だから、それを逆恨みすることのないようにね…? ……くす、くすくすくすくすくす
くすくすくす……。」


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   第2話 “心霊写真機”学級会


「異議ありぃッ!! 大いに私は異議があるぞッ、諸君!!」<金森
「黙れ変態教師。何に異議があるんだ、変態教師。」<保健

「なぜ、ストーキングした少年と自殺した少女が和解できるのだね?! 納得できな
いッ、とゆうかむしろズルイ!! ならばなぜ、私と毬枝くんが和解できんと言うのか
ねッ?!?!」<金森
「あなたが一方的に殺したんでしょう? どうして毬枝が和解しなくちゃならないの。
」<彼岸花
「……和解するつもりはないですけど、……もう特に恨んではいないんで、関わり合
いにならないでほしいです…。」<毬枝



「ンノぉおおおおおおおおおおおぉおおお!! 私の愛が強過ぎたが
故に?! 愛ッ、愛ゆえにぃいいいぃ、ぬぉおおおおおおぉおお!!」
<金森


「………僕にも、責任があることは認めないといけないと思います…。」<野々宮
「責任ありまくりッ!! 私は毬枝くんを自らの手で殺した! 君は沼田くんを自らの
手で死に追い詰めた!! 僕が100点なら君は98点!! どっちも素晴らしい成
績!! なのにッ、何で僕だけ犯罪人呼ばわりで野々宮くんはイイ話みたいな終わり
方なんだぁああぁああ!!」<金森
「……別に、野々宮くんが私を殺したわけじゃありません。……私が、弱かったから…
…。」<沼田
「そうね。自らを殺した弱さこそが、あなたの罪だわ。殺人が罪ならば。自分を殺すこ
とだって、やっぱり罪なのだから。」<彼岸花
「そうですよね…。……自殺は、誰にも迷惑を掛けないことじゃない。……お父さん
やお母さんだって悲しむし、……友達だってショックだし……。……罪深いことだと思
います。」<毬枝
「……それが、私の弱さであり、罪なんです。それが、野々宮くんを傷つけもしたでし
ょうし。………それにそもそも、野々宮くんを最初に傷つけたのは私ですし…。」
<沼田
「いや……。あんなの、大したことじゃなかった。……それに対する仕返しにしては、
僕は逸脱し過ぎてた…。僕の罪は、変わらない…。」<野々宮


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ふぬおぉおおおおおおおおぉおお!! 何なのあんたたちはぁあああぁ!! 
もう付き合っちゃいなよ、ふぉぉおおぉおおおおおおおおぉ!! 断じて私は納得
できんね! いい話で納得など、断じて出来るわけがぬあい!!」<金森
「やかましい、変態教師。つまりあんたは何が言いたいわけ。」<保健
「二人とも悪いから両成敗で和解、なんて絶対認めないザンスー!! いじめた
方が悪いか! 自殺した方が悪いか!! ちゃんと白黒つけないと許さないザン
スー!!」<金森


「ぼ、……僕の方が悪いに決まってる。……もし自殺した人の方が悪いなんて論法
になったら、いくらいじめたっていいってことになってしまう。」<野々宮
「そういうことじゃないよ。人をいじめるのは悪いこと。だけれど、自殺をするのも悪
いこと。……どちらが良いとか悪いとか、そういうものじゃないと思うの。」<沼田
「でも。金森の話も面白いと思うわ。……ニンゲンはすぐ、事の白黒を嫌って両成
敗で片付けたがるけど。罪が二つあれば、軽重の違いがあって然るべきだわ。」<
彼岸花
「ほっほっほ……。なるほど。ではそれを今回の議題にしようではないかね。……
人をいじめることと、自殺することと、果たして悪いのはどちらなのか。」<校長先



「……確かに、興味深い議題です。いじめは罪でしょうが、殺人ではありません。し
かし自殺は、自分という人間を確実に殺している。そういう見方をすれば、自殺の
方が大罪にも思えますねぇ。自分の命を、自分だけのものと考えている時点で、と
ても傲慢なのですから。」<紅茶紳士
「……その論法だと、相手をいじめで死に追いやっても、いじめっこには何の責任
もないことになるよ。」<みちる
「いじめは緩慢な殺人と同じさ。……自分の手で殺すか、そいつの手で死なすか。
差なんて、それくらいしかない。」<ひかる
「自殺もいけないことだけど、……それを強いるようにいじめるのは、殺人と何も変
わらないと思います。」<榊
「いじめが悪いに決まっているじゃありませんか。自殺は自らの命を賭した正当な抗
議! 権利なのです!」<ハメルン


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「死ぬなんてそんな……。いじめられたら死ななければならないという図式が、ま
ずおかしいんじゃないかと思います…。」<スミレ
「……私はいじめなんて嫌いだけれど。いじめられたからって、死なんて考えない
です。せっかくの人生なのに、勿体ない。」<みどり

「私は……、どっちが悪いかなんて比べること、意味がないと思います。いじめるの
は悪いこと。そしていじめに対し、自殺という選択肢を選ぶのは悪いこと。どちらも
悪く、軽重なんてないと考えます……。」<毬枝

「娘を自殺で失った家族が、その論法でいじめっこを許してあげることが出来るとい
うの…?」<彼岸花
「ご両親の怒りは、また別の次元の話だと思います。私が言いたいのは、いじめは
悪いことだし、それに対する答えとして自殺することもまた、悪いことだと言いたい
だけなんです。」<毬枝
「……確かに。遺族のご両親は思うだろうねぇ。どうして死ぬ前に、一言相談してく
れなかったのか、ってね。相手への怒りは収まらないだろうけれど、墓前でそう呟
きたくもなるだろうねぇ。」<保健

「だから両成敗?! 互いに悪いから仲直りなのかい!? 僕は納得できないね
!! 君らだってそうだろう?! 納得なんて出来ないだろう?! 沼田陽子が君
の娘だったら? 妹だったら? 野々宮くんを断じて許せなどしないはず! 彼は
同罪だよ、僕と同罪なんだ!! だから、彼が許されるなら僕だって毬枝くんに許
されていいはずなんだぁあああぁああ!!」<金森

「黙れ、変態教師。自殺という選択肢を選んだ子にも責任はあるが、その選択肢を
強いた責任はそれを上回るだろ。お前の議論は最初から破綻してる。」<保健
「ならば、悪いのは断じてダントツッ、野々宮くんということになるね!! 悪いの
は君ッ!! なのになんで沼田くんに許されるんだね?! さこがおかしいッ、納得
できない!!」<金森
「そんなの簡単よ。……沼田陽子の自殺に対して野々宮武に罪があるのなら。……
その罪を許す権利は、沼田陽子にしかないからよ。」<彼岸花


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「……そうですね。……沼田さんが許してくれた。……この物語は、誰が悪いかどう
かじゃなくて、それが大事なんだと思います。」<毬枝
「ならば毬枝くんッ、君には僕が許せるということになる!! さぁ、毬枝くんッ!!
 海よりも広く深い心で私を許したまえ!! 愛が深過ぎた故に犯してしまった過
ちをッ、さぁ、さあ!!」<金森
「そ、それは……その、………考えさせて、下さい……。」<毬枝
「許すか許さないかは、私たちの最後の権利なんですから。」<沼田
「ほっほっほっほ。死んだ子にしか、許す権利はない。……その意味で本来、自殺
で終わった関係は、永遠に許されることのない罪となる。気の毒なことだね……。」
<校長


「じゃあ、こういう議論はどう? ……あなたが自殺に追い込まれたとして。死後に
いじめた子が後悔を見せたら、あなたには許せる? 許せない?」<彼岸花
「……謝ってくれたなら、……許してあげても。」<榊
「永遠に許されることなく、苦悩し続けることこそが、いじめに対する罰だと思います
がね。」<ハメルン
「同感です。死者に口なし。死者は永遠に、誰も許しはしないのですから。」<紅茶
紳士
「……それでも許せるのなら、………許してあげたいです。後悔しているのなら。」
<スミレ
「誰が許すものか。永遠に後悔して苦しめばいいんだ。」<ひかる
「生まれ変わるほどに後悔してくれたなら。……私は許してあげてもいいと思うかな
。……自分の死は、無駄じゃなかったって思えるから。」<みどり
「……後悔し続けている間は、許すよ。……後悔を忘れたら、即撤回する。」<みち



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「あなたはどう思う……? 自分が自殺に追い込まれたとして、死後にいじめた子
が後悔を見せたら、あなたには許せる? それとも許せない?」<彼岸花


   <選択肢>

A.許せる。
これからは良い人になってね!

B.許せない。
てめーは生涯、詫び続けろ!


<A>
「くすくす。そうよね。あなたの死に後悔して謝ってくれたなら、それを許してあげる
のが人というものだもんね。それでその子が良い人に生まれ変わって。素晴らしい
人間に成長して出世して成功して自伝なんか出しちゃって。昔は色々やんちゃをし
たけれど、ある時、心を入れ替えて自分は成長したっ、なんて威張り出しちゃったり
するのかしら。え? それは許せない? 後悔して苦しんでるから許してあげた?
 ……ねぇ、それ、本当に許してるの? 苦しむ姿が面白いから、許してあげただ
けなんじゃないの? 違うわよね。あなたは心から許してあげたんだもんね。彼が
あなたを踏み台にして、これから素晴らしい人生を歩むのを、見守ってあげられるん
だもんね? くすくす、うふふふふふふふふふふふふ……。」


<B>
「くすくす。そうね、それが死者というものよ。だからこそ、相手を死に追いやるとい
うことは、あまりに罪深い。その内に相手は素敵な伴侶を見つけて結婚して。あな
たに罪はないの、運が悪かったの、その子もきっと今頃あなたを許してくれてるは
ずよ、なんて言ってくれちゃって。勝手にあなたに許されたことにしちゃうんだわ。く
すくす、死者に口なしだもんねぇ? 悔しい? 呪いの言葉の一つくらいぶつけて
やりたい? だったら、死ぬべきじゃなかったわね。いい? 死ねば一矢報いられ
るなんて、ありはしないわ。相手は生きてる。いくら後悔しても、そのうち乗り越える
。そして死者に出来る抗議はない。死んだ時点で、許すも許さないも、そんなこと、
相手が一方的に決めることなのよ。……なのに許せない、キリッなんて。くすくす、
くすくすくすくすくすくす……!」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


   第3話 “お姫様の嘘”学級会


「……今回は難しいねぇ。現実逃避も、ここまで至ればたくましいっつーか、何とい
うか。」<保健
「泣き寝入りしたり、自殺をしたりなんかよりは、……確かにずっとたくましい気も…
…。」<毬枝
「そのまま、生涯の全てを夢の中で過ごせるなら、ね。」<彼岸花
「現実を見よッ!! さもなくばそのツケを払うことになる! よく聞く言葉だがね
! しかし私はとても感銘を受けたよ!! 嘘の世界で生き、夢から永遠に覚めな
い覚悟があるのなら、そのツケを払わなくて良いとは!! その逃げ切り精神ッ、
実に天晴れじゃないか!」<金森


「黙れ、変態教師。そんなのでいつまでも生きていけるわけがなかろーが。」<保

「……いつまでも、夢の中では生きていけないでしょうか。」<みどり
「難しい……かもね。いつか必ず、その夢が覚める。」<毬枝
「その夢を、覚めないようにするのが、私の力なわけですが。」<紅茶紳士
「覚めない夢!! それは即ち、現実も同然ではないだろうか?! これは素晴
らしい力だ!! 新しい世界だ!! 紅茶紳士くん、いや、教頭先生!! ぜひ
その力で、僕と毬枝くんの愛の世界の夢を、僕に見せてくれたまえ下さいませッ!
!」<金森
「検討させてはいただきますが、私、茶葉は初々しいのが好みですので。」<紅茶
紳士

「何と、幼女限定とはッ!! おぉ何ということだろう、その気持ちよくわかりま
す!! 僕もあなただったら、契約の相手はP学生幼女限定としたいッ、致したい
ぃいいぃ!!」<金森
「黙れ、変態教師。……くすくすくすくす。無理よ、覚めない夢なんて、存在はしない
。」<彼岸花
「いつか破綻し、……現実を見て失望するのでしょうね。……そして、夢を見てきた
時間の長さの分だけ。……ツケを払うことになるのでしょうか。」<みどり
「被害妄想に生きるくらいなら。自分は愛されていると妄想しながら生きる方が、は
るかに豊かな生活を送れるでしょう。夢を見ることが即ち、罪ではありませんよ。」<
紅茶紳士


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「その通りッ!! 僕と毬枝くんが相思相愛でイチャイチャラブラブな世界を夢見
たとしてもッ、僕には何の罪もなぁあぁああいい!!!」<金森
「それを実行に移した時点で犯罪だ、変態教師。とにかくお前は黙れ。」<保健

「……人は、誰だってお姫様に憧れます。でも、ほとんどの人はお姫さまにはなれま
せん。」<みどり
「そうですね。……だからこそたまには。……自分がもしもお姫様だったらと、夢想
することくらいあります。」<毬枝


「自分が如何にみすぼらしい存在か、理解することで日々は楽しくなるんですか?
 ……なりませんよね。」<みどり
「ならばむしろ。自分は誰からも愛されていると夢を見て暮らす方が。……はるかに
はるかに、豊かな毎日になるでしょう。夢と現実の矛盾から、目を逸らし続けるとい
う義務だけは背負いますが…。」<紅茶紳士

「今回の議題は、……現実から目を逸らし、夢の世界に生きることは罪なのか、否か
、ということかしら?」<彼岸花
「……難しいですね。素敵な夢を見ながら楽しく生きていけたら。……確かにその
方が、素敵な気がします。」<毬枝
「ただし。その夢が膨らめば膨らむほどに、現実とは乖離していく。その違和感から
、日々、目を背け続けるのは、とてもとても大変なことだろうけれどね。」<彼岸花
「いつか、それは必ず破綻する。……そして、大きな代償を払うことになる。」<保


「その代償とは何かね? 永遠に夢の中に生きることに、私たちはどんな代償を支
払うことになるというのか?!」<金森
「例えば、今回の話のみどりの場合。自分はお姫様扱いでちやほやされていると夢
想して一学期から二学期を過ごした。しかし現実には、彼女は夢を見て過ごしてい
ただけで、状況は何も変わらず、むしろ悪化していっただけ。」<彼岸花


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「………そうですね。例えば、いじめと戦うとか。演劇をがんばって、役を勝ち取っ
て自分を認めてもらうとか。……夢に、自分を近付ける努力をする時間を、私はき
っと、空費していたんだと思います。」<みどり

「……私たち子供には、……如何なることにも挑戦し、変え、未来を作り上げていく
力と時間があるはず。……それを、夢を見ることで空費していくのは、……確かに
良いこととは思えませんね。」<毬枝
「よくおわかりで。……子供は誰だってダイヤの原石。お姫様の卵なのです。」<紅
茶紳士
「しかしそれは、子供の内だけの話だわ。いい年して無職で自宅警備員で、何の積
み重ねもない人生を送っているオッサンなんて、原石どころか馬糞以下だもの。…
…くすくすくすくす、あなたのことじゃないのよ?」<彼岸花
「……そ、そうですか、それは良かったですよ。」<ハメルン


「人間のチャンスってヤツは、全ての世代において平等じゃない。……それは子供
の頃にだけ許されている貴重な時間。それを失って成人したら、もう何もかもが間
に合わない。」<保健
「そうです。ですからこそ、子供にだけ許された貴重な時間を、私の夢によって空
費させることが、………魂を削り取る、私の狩りとなるのです。」<紅茶紳士

「異議あぁり!! 夢を見ることはそんなにも悪いことなのかね?! 夢を見るの
は人間の権利だ! 夢が許されず、冷たい現実しか見ることが許されないなんて
!! そんな寂しい世界にどれほどの意味があるというのだろう?! ないッ、寂
しい、冷たい、つまんない!! 夢の何が悪いのだね?!」<金森
「お前みたいに、夢を現実に写す馬鹿がいるからだろーが。」<保健
「ゆ、夢を見るだけなら多分、悪くはないと思います……。」<毬枝
「そういうことね。夢を夢に留め、現実にそれを侵食させない限り。人は如何なる
夢だって、見る自由があるわ。」<彼岸花


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「つまりッ!! 毬枝くんが私にメロメロで!! 私、先生の赤ちゃんが欲しいッ、
なんて甘く囁かれちゃってる夢を見てもッ、ノー無罪!!」<金森
「……つまり有罪だろーが。」<保健
「夢を夢のままに留められればいいけれど。……現実にはそうは行かない。夢は見
れば見るほどに膨らんで。……人はそれが現実であることを求めるようになる。」<
彼岸花
「……そうですね。……私も、夢のままでは終わらなかった。現実の部室で、ドレス
に袖を通したりした。……物語はあそこで終わりましたが。もしまだ続いていたなら
、もっともっと、……現実に私は侵食していったと思います。」<みどり



「いいんじゃないかねッ?! それの何が悪い?! 僕は毎朝出勤で満員電車に
乗っているがね! 同じ車内の麗しきOLたちは、みんな僕にメロメロで、隙を見
ては横顔をうかがっていると夢想しているよ!! お陰で僕の通勤ライフは毎日メ
ロメロフルハッピーさ!! ウィンクを返すと、気持ち悪そうに目線を逸らされるの
だけは傷付くがね! いいじゃないか、夢を見ても!! どーせ僕はもうオッサン
! ダイヤの原石じゃないもん、馬糞だもん! 夢でも見てなきゃ生きてけねー!
!」<金森

「夢は生きる糧。辛すぎる現実の痛みを忘れるための、一服の清涼剤なのです。」
<紅茶紳士
「……お酒みたいな感じですか。気分転換に、たまにはいいでしょうが、飲みすぎ
たり、溺れたりしてはいけない、みたいな……。」<毬枝
「私は、……それに溺れてしまったから、いけなかったんですね。」<みどり
「今度はみどりさんも、本当の現実で、お姫様役を目指せばいいと思うの。……確
かに、気の毒な状況で、それは辛い道のりかもしれないけれど…。」<毬枝
「夢を見ているだけじゃ、一歩も前へ進めない。……一歩でも歩めば、それだけ本
当に夢に近付ける……。」<みどり


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「みんなの意見も聞きたいわ。……こんな議題はどう? 紅茶紳士が現れて、覚め
ない夢を与えてくれるとしたら、……夢に生きる? それとも、現実に生きる? た
だし、現実に生きても、夢を実現できる可能性は限りなくゼロだけど。」<彼岸花

「………人に迷惑を掛けない夢なら、ちょっとは楽しいかも。」<みちる
「迷惑かけないなら、私もいいかなって思います……。」<沼田
「……現実は何も変わらない。夢を叶える可能性が限りなくゼロだとしても。……ゼ
ロじゃない。前を見て進むべきかな。」<榊



「君は立派だね……。理屈では正しいことがわかってるけど、……僕には、真実と
安息のどちらが重要か、答えが出せないよ。」<野々宮
「ほっほっほっほ……。たくさん悩みなさい。それがお勉強だよ。」<校長先生
「私も、誰にも迷惑を掛けないなら、……夢の世界に生きるのも、ありかなって思い
ます。」<スミレ
「………ふん。僕は逆だね。……好きな夢を見てやるよ。邪魔するヤツは、僕の悪
夢に引き込んでやる。」<ひかる



「くすくすくす。夢は大きくて巻き込むくらいの方が、何かを大成するかもしれないわ
ね。……あるいはあなたも、金森の予備軍かもしれないけれど。」<彼岸花
「夢もお酒も。人生を豊かにするために、ほんの少々、必要なものです。……溺れ
てはいけない。さりとて、一切ないのも味気がない。……その意味では、覚めない
夢では、少々深酒が過ぎるように思いますよ。」<ハメルン
「うん。私もあんたに賛成だわ。夢の一つもなきゃ生きてけない。でも、溺れちゃダ
メだね。夢で二日酔いなんてごめんだわ。」<保健


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「くす。……あなたはどう思いますか? 紅茶紳士さんが現れて、覚めない夢を授
けてくれるとしたら。夢に生きますか? 現実に生きますか? ……夢は覚めない
けれど、現実との少しずつの乖離に、何らかの支払いが必要になってくるでしょうけ
れど。」<みどり


   <選択肢>

A.夢に生きる。
現実だけが世界じゃないもん!

B.現実に生きる。
夢なんて現実逃避だもんね!


<A>
「……夢の世界も、ちょっと魅力的ですよね。……でももし。あなたが現実の世界で
も夢を叶えたいと思うのなら。……現実に生きて、一歩でも前に進んだ方がいいん
じゃないでしょうか…? ……え? 現実には夢も希望もチャンスもない? ぇ、
あ、ごめんなさいっ。……そうですよね、もう人生に逆転のチャンスがなかったら…
…、夢でも見てなくちゃ、……生きていけないですものね…。知ったふうなことを言っ
てごめんなさい。……どんな夢を見てもいいけれど。……金森先生みたいに、……
それを行動に移しちゃダメですからね。」


<B>
「……わぁ、かっこいいですっ。即答ですね! あなたはきっと、どんな夢も自らの
手で掴み取ってきた立派な人だと思います。すごいですよ、尊敬します。……でも、
……世の中の全ての人が、あなたみたいになれるわけじゃないです。……私みた
いに、か弱くて、チャンスを掴めなくて。それで、ささやかな夢を見ながら、辛うじて
現実を頑張っている人たちだって、たくさんいるんです。……だからあなたの選択
肢は立派だけれど、他の人の選択にまで、それを押し付けないでくれるといいかな
、って。……そう思います。え、ぁ、ごめんなさいっ、偉そうなこと言いましたっ、ご
めんなさいっ…。」


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   第4話 “鎮守神さまの祠”学級会


「今回の話にもッ、私は大いに異議があるぞぉおおおぉおおお!!」<金森
「黙れ、変態教師。んで? 今回は何に文句がある。」<保健
「みちるくんは、たまたまッ。たまたま、投げた椅子やらで大怪我をした人がいなか
ったからいいものを!! もし、誰かが大怪我をしていたら? あるいは死んでい
たら?! 優しく諭して終わりッ、なんてエンドにはならなかったはずではないか!
!」<金森
「それは当然でしょ。大事になっていたら、この程度では絶対に許されない。」<彼
岸花
「いいな、いいな!! 大事になってなくていいないいな!! ベランダからの椅
子投げ! 消火器投げ!! 当たってたら死ぬって、普通死ぬって!! つまり
私と同じだ、人殺しだッ!! 私は、当たって殺してしまった! 彼女はッ、たまた
ま当たらなかった!! なのに、私は全身バキバキボキボキでトイレにズボ!!
 彼女は諭されて、何かイイ感じでおしまい!! 何よこの雲泥の差ッ!! 納得
出来ない也ぃいいいぃい!!」<金森



「……首絞めて殺すのと、椅子投げて脅すのじゃ雲泥の差だろーが。」<保健
「………でも。……私も、絶対に当たらないように投げてたわけじゃない。……ひょ
っとしたら、……綺麗に頭に当たって、誰かを大怪我や、あるいは死に至らせてしま
ったかもしれない可能性はある。……その意味で、私も人殺しだよ。……その成り
損ねだ。」<みちる


「もちろん、そこは私も加味しています。……かすって怪我をした子はいたけれど、
まだ悪戯で済むぎりぎりの範囲だった。……それに、言えばわかってくれると思い
ました。だから、言って諭すだけに留めたんです。」<毬枝
「あぁああぁあああ!!! 何で、私は毬枝くんを絞め殺してしまったんだぁああぁ
ああ!! 殺しさえしなければッ!! 僕もやさしく諭されてッ、毬枝くんと二人で
甘くハッピーエンドもありえたというのにぃいいいぃい!!」<金森


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「奪った命は永遠に返らないのよ。……殺したか否か。それがどれだけ重要で重大
な意味を持つか。私たちに諭されるまでもないほどに、学校で教えられてるんじゃ
ないの?」<彼岸花
「国語算数、理科社会!! 人を殺してはいけませんなんて、高校でも大学でも習
わなかったもーん!!」<金森

「……いずれにせよ、深く反省したよ。……取り返しのつかなくなる前に、めそめそ
さんに止めてもらえて、本当に私は幸運だった…。」<みちる
「そうね。確かにあなたは幸運だったわ。………私みたいな意地悪な妖怪に付き
まとわれてたら。……きっとあなたが投げた消火器は、綺麗に頭を叩き割っていた
に違いないもの。」<彼岸花

「いいないいなッ、みちるくんはいいなぁッ、止めてもらえて殺人者にならなくてさ
ー!! 僕なんか誰も止めてくれなかったもーんッ!! 毬枝くんの首を絞めてる
時ッ、どーして美少女妖怪とかが現れて、僕をやさしく諭して止めてくれなかったん
だよぉおおおぉお!! ズルイッ、理不尽ッ、ありえなーい!!」<金森
「私、先生に、止めて下さいって、お願いしましたよね……? そしたら先生、……
私の首を絞めたんじゃないですか……。」<毬枝


「あれッ?! そうだったっけ?! きっとそれは、やさしく諭さなかったからよッ、
やさしく!! 毬枝くんがスク水ランドセルでやさし~く諭してくれたら、きっと私は
罪を犯さなかったんだけどなぁあああぁ!!」<金森
「そこに至るまでの過程で、お前はマックス有罪だ。早く死んで森谷さんに詫びろ。
」<保健
「でも、金森の言うことも確かに一理あるわ。……みちるのやっていたことは、誰か
を殺してしまう可能性さえある危険なものだった。死者が出なかったのはたまたま
で、……だからこそ、諭された程度で許されるのもまた、たまたまということ。」<彼
岸花

「……もしもだがね。彼女の椅子が当たって。その子の命が奪われていたとしたら
。……森谷くんはどうしたかね…?」<校長
「それは、……もう、諭すくらいじゃ許されないと思います……。」<毬枝
「私なら、罪深さに慄いて、屋上から飛び降りるように囁くわね。」<彼岸花
「そ、そんなっ。……私なら、……警察に行って、正直に話すように諭します…。」<
毬枝


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「えーーーッ、僕、全身をボッキボキに砕かれてお便所に引き摺り込まれたんです
けどぉおおおぉ?!?! 何で僕には警察に行って正直に話すように諭してくれ
なかったのぉおおおぉお?!?!」<金森
「毬枝がそーいう気分だったからじゃない?」<彼岸花
「あれだけ慰み者にしておいて。当然の報いだろうが。」<保健

「えー!! じゃあ、こういうこと?! 仮にみちるくんの椅子が人を殺していたと
して!! 彼女は鎮守神さまのことを思って祟りの真似をした心優しい少女だから
自首をお奨めして?! 僕は鬼畜エロゲ教師だから、バッキバキのボッキボキ?
! 同じ殺人なのに、この扱いの違いは何ッ?!」<金森

「さんざん慰み者にした挙句、殺意ばっちりで首を絞めるのと。脅し目的で椅子を落
としたのがたまたま当たり所が悪かったのとは、雲泥の差があると思うけど。」<彼
岸花
「それはおかしい、それはおかしい!! 毬枝くんの命と、椅子で殺されかけた加
奈くんの命は、同じ重さではないのかね?! 毬枝くんの命ってそんなにも重いの
?! たまたま死なずに済んだけれど、ガツンと行ってたら確実に死んでた加奈く
んの命って、自首を勧める程度で許されちゃうくらい軽いものなの?! ねぇねぇ
ねぇ!! 毬枝くんって、殺人者に対する量刑を、独断と偏見で決めれちゃうくらい
偉いの?! ねぇねぇ毬枝くんッ?!」<金森
「そ、それはその、……えっと………。」<毬枝
「だって、金森に対するアレは、毬枝の復讐だもの。バッキバキのボッキボキで当
然じゃない。」<彼岸花

「じゃあじゃあ! 加奈くんの亡霊が現れたなら?! 彼女にはみちるくんを、バッ
キバキのボッキボキにする権利があるッ、ってことになるねぇ?! どうなの?!
 そこんとこどうなの?!」<金森
「…………もし、彼女が死んでいて。……私を復讐するために蘇ってきたなら。…
…確かに、その権利は正当だよ…。」<みちる
「そうね。それが面白いことだったなら、私は死んだ子の亡霊を蘇らせて、復讐の
機会を唆すかもしれないわね。くすくすくす。」<彼岸花


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「はいッ、諸君傾注!! ってことはつまり! もしも椅子がぶつかって加奈くんが
死んでたら、みちるくんもバッキバキにされて然るべきだったということだよね?!
 でも、前回の野々宮くんは、沼田さんにバッキバキにされないし! みちる
くんは誰かを殺すことになる前に止めてもらえるし!! これってズルくない?!
 僕だけ扱い悪くない?! ねぇねぇ、どう思う?!」


「………金森先生は、森谷さんにした仕打ちが酷過ぎると思うし…。」<野々宮
「ストーカーカメラ小僧に言われたくありませんッ。」<金森
「森谷さんにせよ、沼田さんにせよ。……それは彼女らが復讐の権利を、行使した
か放棄したかの違いしかない。彼女らの権利さ。」<ひかる
「えー!! 復讐いいなぁ、僕も8歳の時にパンツにザリガニ入れてきた土橋くん
に復讐したいなぁ!! 何で僕だけ復讐されるの? 僕にその権利ないの?! 
ねぇねぇ!!」<金森


「同じ殺人でも、……その後の反省が、多分、大きく違うと思います。」<榊
「金森先生、全然反省してなかったと思いますし……。」<みどり
「殺意の有無。そして結果の有無。……桜田みちるさんと金森先生では、かなり事
情が違うと思いますよ…。」<紅茶紳士
「その差は大きいですが、……みちるさんがたまたま幸運であっただけ、という見
方ももちろん出来ると思いますね。」<ハメルン

「幸運?! いいないいなぁ!! 幸運でいいなぁ!! 僕なんて昔っからちっ
とも幸運じゃないすぃいい!! いいないいな、幸運いいなぁ!!」<金森
「………確かに、みちるさんは、自分の幸運に、感謝した方がいいと思います。」<
スミレ
「………反省するし、幸運にも感謝しているよ…。」<みちる
「つまり、金森先生はこう言いたい? ……運不運で、罪の軽重が変わるのは、不
公平だ、って。」<沼田


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「その通ぉおおおりッ!!! いいないいな、みんなは羨ましいな!! 僕の前に
も、眼鏡ロリP学生の妖怪とかが現れて、罪を犯す前に止めてくれなかったら、あん
な扱いは受けなかったのになー!! だから、そんな不運は僕は、もっともっとみ
んなにやさしくしてもらってもいいと思うんだ!! なぁ、君もそう思うだろう?!
 野々宮くんは自殺に追い込んだ子に死後に許してもらえるし、校長先生に事件ご
と消し去ってもらってお咎めなし! みちるくんはたまたま椅子がクリティカルヒット
せず、消火器攻撃も直前に眼鏡ロリP学生妖怪が止めてくれて未遂でお咎めなし
!! なのに僕だけ、バッキバキのボッキボキ!!! 不遇でしょ?! 不運で
しょ?! 運命は、もっと僕にやさしくしてくれてもいいとは思わない?!」<金森


   <選択肢>

A.金森は可哀想。
確かに彼だけ扱いが気の毒。

B.金森は問題外。
眼鏡少女に犯した罪に慄け。


<A>
「そう思うだろぉおおおおぉ?! 僕にだって、止められる権利はあったはずなん
だ。止めてくれないみんなが悪いッ、社会が悪い!! 教員にしかなれない氷河
期が悪いし、こんな性癖にしてしまった歪んだ社会が全て悪い!!  僕は犠牲者な
んだッ! 僕に文句があるなら、こんなにも待遇の悪い教職そのものに言いたまえ
! 教員への給料をもっと高くしてくれたなら、もっともっと優秀な人間が教員にな
ってくれるのに! 諸君が税金の無駄遣いだの給料を下げろなどと騒ぐから、見ろ
ッ、私みたいなクズが教師になってしまった!! そうさ、私を学校に招いたのは
社会が悪いんだ! そうだろう?! うは、うっはははっはははははははははは
はははは……。………………はぁ…。」

<B>
「そ、そうか。そうだろうなぁ。世の中、運のあるなしが人生を左右することなんか、
いくらでもあるさ! 君が面接に落ちたのだって、ほんのちょっとした運不運! 先
生の機嫌がちょっと悪かったりして、君への内申点がほんのり低めに記されたりした
としても運不運! 君の負けっぱなしの人生だって、ちょっとした運不運の結果じゃ
ないか! 勝ち組と呼ばれるリア充諸兄と君との違いはなんだ?! 顔? 金?
! 違うね、ほんのちょっとだけ、運があったかないかだけさ!! ……そんな社
会でいいのか?! 良くないだろう?! というわけで。君は即刻タイムマシンを
作り、僕が毬枝くんを殺す前の時間に戻って、ロリ眼鏡P学生を送り込んで僕を説
得するのだ! さぁ直ちに実行したまえ!!」


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彼岸花の咲く夜に
旧校舎の学級会
2013年 10月 20日(日)
月夜の学校案内
http://www.07th-expansion.net
印刷:太陽出版様

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